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予約がとれない祇園料亭「さ々木」店主が食に対するこだわりを熱く語ってくれました。そこには儀兵衛を選んでくれはった秘密が・・・
儀兵衛写真
八代目儀兵衛 橋本隆志 以下「は」
京都七条に庄屋の八代目として生まれ先代より引き継がれた味覚をもつ若手米鑑定士。京の料理をこよなく愛し、全国の米愛好家の方々に、お米に対する熱いおもいをたっぷりにおいしさを表現し日々研究しつづけています。
佐々木氏写真
祗園料亭「さ々木」店主 佐々木氏 以下「さ」
正統に独創をひと振りしたスタイルで京都で一、二を争うほど予約が取りにくいといわれる路地裏の板前割烹「さ々木」の店主。
繊細で彩り美しい京料理の伝統に、春夏秋冬それぞれに新しい工夫を施した佐々木氏の料理には各界の通人に愛されています。
はじめに…
は: 「大将、おおきに!いつもすんまへん。お忙しいところお時間いただきまして!」
さ: 「かまへんで。僕、人と話すんの大好きやし。」
は: 「こないだもテレビで京都の予約の取れにくい店特集に出てはりましたなぁ。こないだ実際僕がささ木さんとこ予約しても2ヶ月半待ちです、って言われたし繁盛してはるなぁって感心してたんです。」
さ: 「おかげさんで(笑)」
は: 「ほな、本題にいってよろしいですか?」
 
佐々木さんのお店について
は: 「今更ですが、大将のとこが繁盛してる理由ってなんですか?」
さ: 「一言でゆったら京料理という伝統の殻を破った第一人者ってことかな?」
対談写真1
は: 「どういうことですか?」
さ: 「京都の食材だけに関わらず、全国からのええもんを使ってお客さんに見て楽しい、食べておいしい料理を出すことですわ。」
は: 「こないだ、CREAっていう雑誌を拝見したんですけど、マグロの寿司に醤油を刷毛で塗ったりとか、お昼のコースでワゴンケーキを出したりとか、従来の京料理のスタイルにはなかったことをやってはるし、見てるだけでも非常におもしろいです。」
さ: 「そのスタイルもようやくお客様にも受け入れていただいて、感謝しております。京都の古き伝統の中に、斬新な発想をいれて新しい京料理にチャレンジするのが僕のスタイルなんです。特に京都の方の舌には絶大な信頼をしていますから、どうやったらおいしく、又楽しんで食べてもらえるんやろう?と日々考えております。時代が流れているのに料理がそのままではお客様にとってもギャップがありますからね。だから、京料理であるかないかではなく、時代に応じて進化してくのも料理やと思うし。お米でもそうでしょ。品種改良や土壌改良があって、今の日本人の口に合わせたお米が作られてるわけでしょ。なんでも進化していかないと伸びませんよ。だから京料理にも言えることなんですけど、僕はそれをチャレンジしているだけであって、ベースはあくまで京料理です。決め手はやっぱり京都のだしですからね!」
は: 「そうですよね。お米にしてもそうなんですけども、結局は産地銘柄米だけで商売をしてたら、そこの産地の本当の味って何なんやろ?って米屋をしてても、ふと疑問に思うことがあるんですよね。お米って年々、味自体が変わりますし、昨年みたいに台風が来れば、品質は一発で変わりますから、米屋も産地銘柄を売りにしてだけの商売はもう流行らないかもしれませんね。」
さ: 「米屋もいろいろ見えへんところで大変やねんな。そこに何か秘策があんの?」
は: 「はい、後でお話させてもらいます。」
食に対するこだわり(だしに対する考え方)
対談写真2
は: 「ところで先ほどおだしの話が出ましたけど、京都はおだしの文化ですよね。こないだ大将んとこの、コースの中のあんかけをいただきましたけど、あれ最高にうまかったですわ。大将はおだしを取る時に、一番どういうところに気を遣ってはりますか?」
さ: 「昆布や魚介など色々ありますけど、やっぱり決め手は水やと思います!京都は昔から水の都って言われてるんですよね。どうしてかというと、貴船の方から流れてくる地下水がすごいんですよ。その水はミネラルを充分に含んでいるから、京料理はだしがいいと。京都は軟水ですから、だしが出やすい。だから、京料理の味付けは薄いって言いますけど薄いんじゃなくて、だしがしっかりしてるから味付けをする必要性がないんです。素材の味を引き出すというのが京料理本来の姿やしね。」
は: 「そうですね。京都の方の『このお米、あじないなぁ』というお言葉を聞くことがあるんですよ。「あじない」というのは、京都ではイコール「まずい」。京都の方は、全般的に味のある物、味のしっかりした物を好まはります。お米に関しても、100%の産地のお米だけ精米すると、風味とか粘りといったものはいいんですけど、甘み、旨みに関しては薄いんです。なかには作り方によってしっかりした味を出すお米もあるんですが、ちょっと粘りが少ないとか、すぐに色が黄ばんだりとか・・・」
さ: 「特色やね、それが。」
は: 「そうなんです。僕も京都のお茶やおだしの文化は素晴らしいと思います。お茶には「合組み」、おだしには「合わせ」という文化があるからこそ、そこにオリジナルの味ができ、又、いろんな味が合わさることによって、より味わい深い旨みが出てくるんですよね。だからお店ごとに特色があるんやと思います。」
さ: 「その通りやと思います!」
は: 「お米もそれぞれの特色のあるお米を合わせることによって、よりおいしく味わい深いお米になるんですよね。ところで大将!今までのうちの米と、今回のうちの米の味、食べ比べていただいて、いかがでしたか?」
対談写真3
さ: 「初めて食べた時に、田舎で食べた味みたいやなと思ったわ。昔ながらの甘い味が
して旨いんですわ。柔らかすぎず、でも一粒一粒がしっかりしてる。それが僕の第一印象やね。いやな粘りも出てきいひん、美味しい米やなと素直に思いました。」
対談写真4
は: 「おおきに、ありがとうございます。今言われたように、一般的にお客様は、粘りがあったら美味しいと勘違いされてる方も多いようです。何か○○産の△△でないとダメとか100%でないとダメとか。」
さ: 「冷やご飯食べたらわかりますわ。まずいご飯やったらパサパサでツヤもない。旨い米っていうのは冷えてもツヤがあるし、甘い。」
は: 「最終的におにぎりにしたら、ようわかります。」
さ: 「それが米の旨さやね。」
は: 「その部分僕も追及しているんですけども、産地100%だとそこまでの甘さや食感は表現できませんわ。」
さ: 「あの米は美味しいですよ。魚沼の米より旨い」
は: 「大将、僕は食べ比べの詰め合わせもやっていこうと思ってます。正直、味をよりおいしくするブレンド米も、世間にはあまり良いイメージを持たれてないんですよね。2年前には、「あなた好みのブレンド米」ということでNHKやラジオにも出て話をしたことがあるんですが、ブームに終わらせたくないので、今回究極のお米を作りました。今お店で使ってもらってる、このお米こそが最高にうまいもんやと僕も自負しております。いずれ「橋本が作ったブレンド米」というのがひとつのブランドになる時代が来ると思っております。」
さ: 「ブレンドがブランドやね。いいと思いますよ。この間フレンチのシェフと水の話をしていたんですけど、野菜をゆがく時はこの水とこの水を足すと旨い、この水とこの水を足してだしを作るとどうなるか、を検証してやっていますよ。だからブレンドは僕、いいことやと思うんですよ。」
は: 「そうですね。お米に関してだけなんかちょっとこう、100%でなければいけないような風潮がありますからね。又、ブレンドは安っぽいとか偽もん言うイメージですし・・・」
さ: 「それやったら、炊く側も水道水で炊かんとほんまの地下水で炊いてほしいよね。最低でも浄水器を使ってほしいなぁ。」
は: 「極端に言えばそこですよね。美味しい水で米を炊いたら味も全然違う。それが水道水になってしまうと、全く違うお米の味になるんですよ。」
さ: 「水はすごく大事ですよね。水をもっと一般の人にもこだわって欲しいね。あったかい水で炊くのと冷たい水で炊くのとでも違うし。」
は: 「はい。それから、釜ひとつとっても違いますしね。」
さ: 「今、土鍋が流行ってますよね。うちも土鍋で炊いてますけど、これがまた旨いんですわ!」
は: 「僕も今回ホームページの中で、釜を売ろうと思っているんですよ。その釜というのが九州の有田の陶磁器で出来た釜なんですけども、陶器と磁器の違いですよね。陶器というのはどうしても熱が伝わりやすいんですけど、温度が下がってしまうと冷めるのも早いんですよ。磁器っていうのはあったかくなるのは時間がかかるんですけど、一旦熱が入ったらなかなか温度が落ちないんですよね。これが、お米の芯の芯まで火を通すから、食べた時の食感が最高にうまい!これで炊くお米はまた格別ですわ。」
八代目儀兵衛の話
対談写真5
さ: 「それからホームぺージっていつからやるの?」
は: 「予定では11月から立ち上げて、店名を『八代目儀兵衛』でスタートしようと思ってるんです。」
さ: 「なんで八代目なん?」
は: 「橋本家は、代々「儀兵衛」という名前を伝承してるんです。それで僕が八代目になるんです。そういうことで、八代目儀兵衛を世襲しました。」
さ: 「300年?」
は: 「そうですね。1750年・・・江戸の寛政時代ですね。僕もお米に対してのこだわり、これからの米、日本人にとっての米文化というのは何ぞやというのを、ネットを通して発信して全国の米愛好家の皆様に伝えていきたいなと。
自分独自でブレンド出来る文化」なども、お客様に浸透させていけたらなと思っております。だから今、ささ木さんのところに持ってきているお米の名前は、その名も「厳選京仕立て八代目儀兵衛」と言うんです。このお米が出来た時に一番最初に浮かんできた顔が大将の顔やったんですよ(笑)。」
さ: 「おおきに!店のお客様からも評判やで!それにしてもすごい名前やな(笑)。」
は: 「はい(笑)。大将、ぜひこれからも京料理の伝統を 大切にしつつ、僕を含め全国のお客様に、見て楽しい、食べて美味しい料理を振舞っていただく為に、 僕も納得してもらえるお米を提供し続けます。お互いにこれからの京都を引っ張り続けて何事にも挑戦していきましょう。ささ木さんの厳しい条件にも応えていきますし(笑)。がんばります。今日はお時間とらせまして、どうもありがとうございました。」
さ: 「こちらこそ、ありがとうございました。」
対談写真6
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