アウトドアでもおいしいごはんを。お米のプロが教える、失敗しらずの飯盒(はんごう)炊飯テクニック

アウトドアでもおいしいごはんを。お米のプロが教える、失敗しらずの飯盒(はんごう)炊飯テクニック

最終更新日:2023-05-17

最近、キャンプやグランピングやバーベキューなど、野外のレジャーに注目が集まっていますね。ご家族やグループで協力して飯盒炊爨(はんごうすいさん)もしくは飯盒炊飯(はんごうすいはん)と呼ばれる飯盒でのお米の炊き方にチャレンジすれば、きっと忘れられないアウトドアの思い出になりますよ。

難しそうに思える飯盒炊爨ですが、実は手順やコツさえしっかり守れば、失敗しらず。

はじめての方でもおいしいごはんが炊けてしまうんです。

『八代目儀兵衛』の五ツ星お米マイスターがおすすめする飯盒炊爨テクを、ぜひお試しください。

飯盒でごはんをおいしく炊く方法

実は筆者は、子どものころにキャンプで飯盒炊爨を失敗してしまい、真っ黒コゲのごはんを食べるはめになった…という、苦い思い出があります。

みなさんは飯盒炊爨に、どんなイメージをお持ちでしょうか?

「準備が大変そう」

「火加減が難しそう」

「苦労して炊いたのに、ごはんが焦げたり固すぎたりべちゃべちゃになったり、おいしくなかったら嫌だなあ…」

などなど、不安に感じることは多いですよね。

そこで今回は、そんな失敗をせずに、初心者でも飯盒炊爨を成功させられるテクをご紹介します!

実践すれば、アウトドアでもびっくりするほどおいしいごはんが味わえちゃいますよ。

匂い抜き・計量・浸水まで。事前準備の3ステップ

お米に火を入れる前までの手順からご説明していきます。

ちょっと面倒だと感じてしまいそうですが、これからご紹介する3ステップをしっかりと行うことこそが、飯盒炊爨の成功の秘訣です。

1.飯盒を火にかけてアルミ臭さを抜いておく

おいしいごはんは、香りもとっても大切。

新品の飯盒のアルミ臭さがお米に移ってしまわないよう、飯盒を購入したら、まず匂い抜きをしておきましょう。

匂い抜きのやり方は、飯盒にお米のとぎ汁を8分目程度まで入れ、10分~15分ほど火にかけるだけです。

こうしておくと、飯盒が黒く汚れるのも防ぐことができますよ。

2.お米と水を正確に計量する

兵式飯盒の内蓋は2合、外蓋は3合分のお米を測れるようになっています。

しかしピッタリ測ることはできないので、デジタルスケールや計量カップを使って正確に計量しましょう。

あらかじめ計量したお米をジップロックに入れて持って行くと、現地では炊くだけになるので便利です。

お米の計量までの準備は、ご自宅で済ませておくと良いですね。

<ポイント>

飯盒で炊けるお米の目安は?

飯盒の規定量マイナス1合までが目安で、理想としては、規定量の半分程度まで。

4合炊きの飯盒を使用する場合は、3合分のお米までが許容範囲で、2合分を炊くのが良いということになりますね。

無理にたくさん入れて炊こうとすると、お米に火が均一に入らなくなり、ムラになってしまいます。

おいしいごはんが炊けなくなってしまうため、欲張りは禁物!

3.お米をしっかりと浸水させる

お米を研いだら、お米に水を吸わせる浸水の時間を取りましょう。

しっかりと浸水させたお米は、炊くときに芯まで火が入り、甘みのあるふっくらとしたごはんになります。

固めのごはんにしたい場合も、浸水の時間は省かずに、炊飯時の水の量で調節をしてください。

浸水時間の目安は、夏場は30分~1時間、冬場は1~2時間。

春~秋は、雑菌の繁殖を抑え炊きあがりをよくするために、クーラーバッグなどを使うのがおすすめです。

<ポイント>

無洗米の場合は?

無洗米でも、糠臭さを抜くために軽く洗いましょう。水を入れたら軽く手で回して、水を捨てればOKです。

火加減と加熱時間のコツを解説!炊飯の4ステップ

事前準備を済ませたら、いよいよ飯盒でお米を炊いてみましょう。

これからご紹介する4つのコツを守れば、焦がすことなく、おいしいごはんが炊きあがりますよ。

「♪はじめチョロチョロ中パッパ、赤子泣いてもふた取るな」に、八代目儀兵衛ならではのひと工夫「シャリ切り」を加えた、全4ステップとなっています。

ガスバーナーや焚き火など、使用する火の種類が異なっても、これからご紹介する方法は共通となります。

1.沸騰するまでは弱火~中火を死守!

飯盒を火にかけたら、沸騰するまでは絶対に強火にしないこと!

はじめに焦がしてしまうと、苦味やコゲの匂いがお米についてしまい、美味しいご飯が台無しになってしまうのです。

言い換えれば、焦げさえしなければ、後からリカバリーは可能ということ。

「はじめに焦がさなければなんとかなる!」と覚えてください。

弱火~中火で沸騰するまで加熱し、その後は10分ほど沸騰させます。

沸騰させる時間が短いほどごはんが硬めの仕上がりとなるので、慣れてきたらお好みで時間を調節してみてくださいね。

2.沸騰しそうになったらスプーンで優しくかき混ぜる

沸騰が近くなり、ぶくぶくと泡が立ち始めたらスプーンなどでかき混ぜます。

お米が潰れてしまわないよう、あくまでも優しく。

このひと手間で、飯盒内の温度が均一に上がって炊きムラを減らすことができ、ご飯の炊き上がりがより美しくなりますよ。

水気がなくなってきて全体がお粥のようになり、鍋肌にお米が張り付き始めたら、蓋をしましょう。

3.蓋は途中で開けるべからず!とろ火でコトコト25分

飯盒に蓋をしたら、とろ火(小さな小さな火)にかけて、25分コトコトと煮ます。

100℃で20分以上加熱することで、お米がごはんになっていきます。

飯盒の中の温度が100℃以下に下がってしまうので、途中で蓋を取らないように!

途中で火が消えてしまっても、短時間ならば問題はありませんので、そんなときも慌てて蓋を取ったりせずに、とろ火での加熱を再開してください。

25分たったら蓋を開け、ごはんの状態を確認しましょう。

<ポイント>

ごはんが固かったりべちゃべちゃだった場合は?

まだ十分に火が通っていない状態です。

もう一度蓋をして、とろ火で5分~10分ほど加熱してみてください。

それでも失敗したときは、水を足してお粥にすればおいしく召し上がれますよ。

寒い季節や標高が1000mを超える場所での場合は?

お米に火が通るのが遅くなるので、炊飯時間をあらかじめ長めにとっておきましょう。

4.五つ星お米マイスターのおすすめテク「シャリ切り」をして完成!

炊きあがったごはんをおいしくする、最後のステップが「シャリ切り」です。

内にこもっている蒸気を外に逃がすイメージでご飯をかき混ぜることを「シャリ切り」と呼ぶので、こちらも覚えてみてくださいね。

シャリ切りが終わったら、蓋を少しずらして被せ、余分な水分を飛ばします。

そのまま5分待ったら、おいしいごはんのできあがり!

あとはお好みの味付けやメニューで、心ゆくまでおいしいアウトドアごはんを楽しんでください。

以上、事前準備の3つのステップと、炊飯時の4つのステップをご紹介しました。

やることが多くて大変に思えるかもしれませんが、どれもおいしいごはんを炊くためには欠かせないことなのです。

ひとつひとつのステップをしっかりとこなすことが、飯盒炊爨成功へのいちばんの近道になりますよ。

上手に炊けたときの喜びや、外で食べるごはんのおいしさなど、飯盒炊爨ならではの感動を、みなさんもぜひ味わってみてください。

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