最終更新日:2024-08-27
日本の主食といえばお米。台所から炊きたてのごはんの香りがふわっと漂ってくる。それだけで、なんだか幸せな気持ちになりますよね。
そんなお米は私たちの暮らしに欠かせない大切な存在ですが、ついつい炊事がルーティーンワークになって「なんとなく……」で炊いてしまっていませんか?
せっかく品質のよいお米を手に入れても、強い力でといでしまったり、水加減を間違えたりすると、本来のおいしさが半減してしまいます。
そこで本記事では、米老舗八代目儀兵衛が本当においしいお米の炊き方をご紹介します。
「自宅にある炊飯器でもおいしく炊けるの?」「これから土鍋でお米を炊いてみたいけれど不安」という方でも大丈夫。
「本当においしいお米の炊き方」を知れば、毎日の食事がもっと楽しくなり、人生も豊かになるはず。いつもの家事に、ほんの少しだけプロの一手間を加えて。最高のごはんを味わってみませんか?
おいしいごはんに仕上げるために!お米を炊く前に知っておきたい4つのポイント
ポイント|①お米の量は測りで正確に計量する(1合150g)
ポイント|②お米の保存は高温多湿を避けた「冷蔵庫の野菜室」で保管する
ポイント|③「無洗米」の炊き方は白米と同じ
ポイント|④もち米は料理に合わせて浸漬時間を調整する
【炊飯器編】八代目儀兵衛流!ごはんがおいしくなるお米の炊き方
米とぎ編|①ボウルにたっぷり水を張る
米とぎ編|②お米を水に入れ軽くかきまぜる
米とぎ編|③金ザルがお米を傷つける? プラスチックのザルで水切りする
米とぎ編|④ 「握って離す」を40回繰り返してお米をとぐ
米とぎ編|⑤ お米をとぐのは最初の1回、すすぎは3回
水加減編|⑥ お米1合(150g)に対し水190gを計量する
水加減編|⑦炊飯器のメモリは左右2箇所で確認する
浸水編|⑧ラップをかけて冷蔵庫の中で1時間ほど浸水させる
炊飯編|⑨炊飯器の「早炊きモード」でおいしく仕上げる
炊飯編|⑩炊き上がったらすぐにシャリキリ(ほぐし)を
【土鍋編】八代目儀兵衛流!ごはんがおいしくなるお米の炊き方
土鍋編|①火加減は中強火で10分〜11分沸騰させる1cm下を目安に測る
土鍋編|②とろ火でさらに14分加熱する
土鍋編|③おこげをつけたい場合は火を止める直前に10秒強火に
土鍋編|④火を止めたら10分蒸らす
余ったごはんはすぐに冷凍!アツアツを保存しよう
プロの一手間を活用して「本当においしいごはん」を炊きませんか?|まとめ
おいしいごはんに仕上げるために!お米を炊く前に知っておきたい4つのポイント
この記事を読んでいる方の中には「おばあちゃんに教えてもらった方法で、お米を炊き続けています」「小学生の頃に家庭科の授業で習いました」と、すでにお米の炊き方の基本をご存知の方も多いことだと思います。
しかし、上記のような方法は、現代のきれいに精米されたお米にはそぐわず、かえってお米のおいしさを奪ってしまうかもしれません。
お米は、私たちが想像している以上に繊細な生鮮食品です。ちょっとした衝撃で米ぬかが落ち、割れてしまう可能性も。
ここではまず、おいしくごはんを炊くために知っておきたいポイントを4つご紹介します。
ポイント|①お米の量は測りで正確に計量する(1合150g)
炊飯器で炊く、土鍋で炊く。どちらにしても重要になるのが「お米の量」です。
保存容器から計量カップにお米をすくうと、カップを揺すったり、キッチン台に打ち付けたりと、量を調整したくなりますよね。
しかし、こうしたちょっとした仕草が正確な計量を妨げる原因になるかもしれません。
計量カップは、お米で言うところのちょうど「1合(150g)」の設定になっているため、左右に揺すってしまうと、隙間にお米が入り込み実際の量よりも増えてしまうのです。
■プロのワンポイントアドバイス ・計量カップは揺すらず、指でしっかりすり切りを。 ・スケールを使って計るとより正確。 |
▼お米の計量の仕方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
「お米1合は何グラム?プロが教える正しい測り方と計量カップがないときの代用アイテムをご紹介」
ポイント|②お米の保存は高温多湿を避けた「冷蔵庫の野菜室」で保管する
購入したお米を、米袋のまま保管していませんか?
高温多湿が苦手なお米は、直射日光の当たる場所にそのまま保管していると、カビや虫が発生する原因に。冷蔵庫の野菜室など、高温多湿を避けた涼しい場所で保管しましょう。
お米の鮮度を保つためには、保存容器にもこだわりを。定番の米びつ、手軽さが魅力のタッパー、ジップロックなど、「密閉」できるものなら、どんなものでも問題ありません。
用途や生活スタイルに合わせて、ぴったりの保存容器を選んでみてください。
■プロのワンポイントアドバイス ・高温保湿を避けた涼しい場所で保存する ・密閉できる容器で保存する |
▼お米の保存方法については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
正しいお米の保存方法とは?おすすめの保存容器や最適な保存期間を解説!
ポイント|③「無洗米」の炊き方は白米と同じ
一般的なお米は、表面に若干の肌ヌカ(精白米の表面に再付着した強いヌカ)が付着しています。このヌカを取り除くために、洗米の習慣があるのです。
無洗米とは、今までといでいた肌ヌカを全て取り除いた状態で販売したお米のこと。お米をとぐ必要がないため、調理にかかる時間を短縮できるというメリットがあります。
手間がかからない無洗米は、一昔前までは「味は二の次」というイメージがありましたが、最近では「手軽さ」と「おいしさ」の両方を兼ね備えた商品もたくさん登場しています。
基本的な炊き方や水加減は白米と同じですので、「家事をもっと楽にしたい」「手軽においしいごはんが炊きたい」と思っている方は、ぜひ毎日の食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。
■プロのワンポイントアドバイス ・実はメリットが多い無洗米 ・炊き方や水加減は白米と同じ |
ポイント|④もち米は料理に合わせて浸漬時間を調整する
もち米は、お餅やお赤飯・おこわなどに使われる粘り気のあるお米です。一般的な白米が、アミロースとアミロペクチンの比率が2:8であるのに対し、もち米は粘り気の強いアミロペクチンのみで構成されています。
もち米を炊く時には、お料理に合わせて浸漬時間を工夫してみましょう。炊飯器でおこわを作るなら約1時間、ご家庭でお餅をつくるなら12時間が目安です。
■プロのワンポイントアドバイス ・料理に合わせて浸漬時間を調整する |
八代目儀兵衛の料理米シリーズ「餅」は、もちもちの食感が魅力的な一品。もち米の最高級ブランド「こがねもち」を採用し、最高級の風味を実現しましたオンラインストアでは、素朴な味わいが魅力的な「おこわ」のレシピをご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
【炊飯器編】八代目儀兵衛流!ごはんがおいしくなるお米の炊き方
それでは、いよいよ炊飯器を使ったおいしいお米の炊き方を解説します。
「お米は一度にどれだけ炊けばいいの?」と疑問に思う方も多いかも知れませんが、炊飯量はお釜の大きさに合わせるのが一般的です。たとえば、5合まで炊ける炊飯器なら、その7割ぐらいの分量を目安にした3〜4合がベスト。
炊飯器は、手軽にごはんが炊ける頼もしいアイテムです。ちょっとした一手間を工夫しながらおいしいごはんを炊き上げましょう。
米とぎ編|①ボウルにたっぷり水を張る
最初にさっと手早く行うすすぎ=「洗米」の工程こそが、お米の旨味を引き出すポイント。お米が最初に出会う水は特に重要です。水道水でも問題ありませんが、ミネラルウォーター(硬度50度以下の軟水)を使うと、プロ顔負けの本格的な仕上がりに。
■プロのワンポイントアドバイス ・「お米が最初に出会う水」には特にこだわって |
米とぎ編|②お米を水に入れ軽くかきまぜる
水を張ったら、事前に計量したお米をボウルの中へ。ふんわりと優しくかき混ぜていきます。最も大切なのは、最初の水にお米が触れる時間を極力短くすること。乾燥状態のお米は、水を吸収しやすいため、数回かき混ぜたらサッと水切りをしましょう。
ほこりやヌカで濁った水がお米の中に吸収されるのを防ぐ効果があります。
■プロのワンポイントアドバイス ・炊飯器の内釜ではなく、必ずボウルを使用する(内釜の凹凸がお米を傷つけてしまう) ・最初に1回手早くすすぎ、濁った水を吸わせない |
米とぎ編|③金ザルがお米を傷つける? プラスチックのザルで水切りする
精米後のお米はとってもデリケート。水切りをする際にはぜひザルを使ってほしいのですが、ここで見落としがちなのがザルの素材選びです。
網目が固いザルに触れると、お米が割れてしまう原因に。割れたお米は、炊飯器の中で余分な水分を出し、べちゃべちゃとしたご飯に。
お米を傷つけないためにも、凹凸のないプラスチックのザルを使用しましょう。
■プロのワンポイントアドバイス ・金ザルはお米を傷つけるので使用しない |
米とぎ編|④ 「握って離す」を40回繰り返してお米をとぐ
精米技術の発展により、現代のお米はほとんど不純物が取り除かれた状態で売られているため、強い力でとぐ必要はありません。反対にゴシゴシと強い力でお米をとぐと、米粒が割れて味が落ちてしまいます。
水切りをしたお米は、ボウルの中で30回〜40回優しく「握る」→「離す」を繰り返すだけで十分。このとき、手の中にあるお米粒をほんの少しズラしながら握ることで、表面についた肌ヌカや余分な糖を落とすことができます。
注意すべきポイントは、必ず水切りをした状態で行うこと。水を張ったまま行うと、お米同士の摩擦が起こらず、表面の汚れや肌ヌカを落とすことができないからです。
■プロのワンポイントアドバイス ・1合で30回、2合で40回、3合で50回を目安に握る ・水は必ず切った状態でお米をとぐ |
米とぎ編|⑤ お米をとぐのは最初の1回、すすぎは3回
実は、お米をとぐのは最初の1回だけです。2回目以降は水道水で軽く流すだけでOK。水を交換する際にお米をといでしまうと、お米を傷つけてしまうため「水を切る」→「1回だけお米をとぐ」→「水交換は3回(すすぎ)」の順番を覚えておいてくださいね。
ふわっとお米のよい香りが漂ってきたら、米とぎは終了。炊飯器を使ってお米を炊いていきましょう。
■プロのワンポイントアドバイス ・お米をとぐのは最初の1回だけ ・といだ後に水交換を3回行う |
水加減編|⑥ お米1合(150g)に対し水190gを計量する
おいしいごはんを炊くためには、水加減が命。たった1〜3g水加減が変わるだけで、お米のパサつきやベタつきの原因になります。
おいしく仕上がる水加減は、お米1合(150g)に対し水190g。スケールを使用すると正確に計量できて便利です。
■プロのワンポイントアドバイス ・お米1合(150g)に対し水190g ・スケールを使用すると正確 |
水加減編|⑦炊飯器のメモリは左右2箇所で確認する
「スケールが手元にない」「できるだけ手早くお米を炊きたい」という場合には、炊飯器の内釜にあるメモリをチェックしてみてください。
平らな場所においたら、左右に書かれたメモリを2箇所合わせて確認します。左右どちらか片方だけを見るよりも、より正確に水加減を調整することができます。
■プロのワンポイントアドバイス ・内釜のメモリは左右2箇所で確認する |
浸水編|⑧ラップをかけて冷蔵庫の中で1時間ほど浸水させる
ボウルにお米と水を入れたら、ラップをかけて約1時間冷蔵庫で浸水させましょう。冷たい環境でお米を浸水させることで、米粒の中心部まで水分を浸透させることができます。
冷蔵庫内の匂いがお米に付着しないよう、ラップをかけるのを忘れずに。
お米の食感にこだわるなら、浸水のお水にもこだわってみましょう。ミネラルウォーター(硬度50度以下の軟水)を使用すると、より一層ふっくらとした仕上がりに。
■プロのワンポイントアドバイス ・浸水は冷たい環境で ・ラップをかけて匂いの付着を防ぐ |
炊飯編|⑨炊飯器の「早炊きモード」でおいしく仕上げる
1時間ほど浸水したお米は「早炊きモード」で仕上げましょう。一般的な炊飯モードには、「炊き上げ時間」にプラスして「浸水時間」が設けられています。
事前に冷蔵庫で浸水していれば、追加の浸水時間は飛ばしても問題ありません。反対に、十分に浸水したお米を普通の炊飯モードで炊くと、お米が水分を含みすぎべっとりとした食感に。短時間でパパッとおいしいごはんを炊き上げましょう。
■プロのワンポイントアドバイス ・浸水したお米は、早炊きで仕上げる |
炊飯編|⑩炊き上がったらすぐにシャリキリ(ほぐし)を
ごはんが炊き上がったら、炊飯器の蓋をあけ、すばやく「シャリキリ(ほぐし)」を行いましょう。「蒸らさなくてもいいの?」と疑問に思った方も多いかも知れませんが、最近の炊飯器では蒸らしの時間を終えてから合図を鳴らしてくれるので、すぐにほぐしても大丈夫。
内釜の底や中心部にこもった余分な水分を飛ばすように、ふわっと底からすくい上げるようにして混ぜ合わせれば、おいしいごはんの完成です。
【土鍋編】八代目儀兵衛流!ごはんがおいしくなるお米の炊き方
料理好きの間で、ひそかに人気を集めている土鍋。見た目もおしゃれなものが多く、持っているだけで気分が上がる素敵なアイテムです。
そんな土鍋派が増える一方で「なんだかハードルが高い」「手間隙かかりそう」という声も。一度使い方をマスターすれば、実はとっても簡単にお米を炊くことができるのです。
短時間でおいしいお米に仕上げることも可能なので、ぜひ毎日の食卓に取り入れてみてくださいね。
土鍋編|①火加減は中強火で10分〜11分沸騰させる
※洗米から浸水・水加減は炊飯器と同様です。
冷蔵庫で1時間ほど浸水させたお米を土鍋の中へ入れたら、まずは中強火で10分〜11分ほど沸騰させます。上部から湯気が上がってきたら、沸騰が完了したサイン。そのままさらに1分ほど放置します。
土鍋編|②とろ火でさらに14分加熱する
沸騰が完了したら、火加減をさらに調整。弱火よりもさらに弱い最小の火加減である「とろ火」にしてさらに14分加熱します。土鍋内の熱を110℃〜120℃にキープすることで、お米の甘さが引き立たせることができるのです。
土鍋編|③おこげをつけたい場合は火を止める直前に10秒強火に
しっかりとしたおこげを作りたい場合は、火を止める直前に10秒強火にしましょう。
土鍋編|④火を止めたら10分蒸らす
火を止め、そのまま蓋を開けず10分間蒸らしたら、おいしい土鍋ご飯の完成です。炊飯器と同様素早くシャリキリ(ほぐし)を行い、水分を飛ばしましょう。
■プロのワンポイントアドバイス ・蒸らしの際には絶対に蓋を開けないこと ・シャリ切りをする際には米粒をつぶさないように |
余ったごはんはすぐに冷凍!アツアツを保存しよう
多めに炊いてしまったご飯は、冷めないうちにラップに包みましょう。ラップの上からさらにアルミホイルで包むことで、アツアツの味をそのままキープできます。
■プロのワンポイントアドバイス ・余ったごはんは冷ますことなく、すぐに冷凍庫へ! |
プロの一手間を活用して「本当においしいごはん」を炊きませんか?|まとめ
「家でも、料亭のようなおいしいごはんを食べたい」と思ったら、いつものルーティーンにプロの一手間を加えてみませんか?
・研ぐのは1回、すすぎは3回
・浸水は冷蔵庫で1時間
・お米が炊けたらすぐにほぐす
など、ちょっとしたポイントで、お米のおいしさを何倍にも引き立てることができます。
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八代目儀兵衛のオンラインストアを活用して、最高のごはんとの出会いをお楽しみください。