混同してない?四十九日法要のお返しと香典返しの違いを解説!

混同してない?四十九日法要のお返しと香典返しの違いを解説!

最終更新日:2022-08-15

似て非なる「四十九日法要の引き出物」と「香典返し」。その違いをご存知でしょうか?四十九日法要の引き出物と香典返しは、どちらも四十九日法要を目途に葬家が準備する品物であるために勘違いしやすいのですが、まったく別物であることをはっきりと理解しておきましょう。

今回は、四十九日法要の引き出物と香典返しの違いをマナー講師が解説。四十九日法要の引き出物に関する基本的な知識も併せてご紹介します。

四十九日法要の引き出物と香典返しについて

四十九日法要に招待された参列者は、四十九日法要のお供えとして「御供」あるいは「御仏前」を持参します。そのお供えに対するお礼が「四十九日法要の引き出物」です。葬家は、四十九日当日にいただくお供えへの返礼品として四十九日法要の引き出物を準備し、お持ち帰りいただきます。

一方の「香典返し」は、通夜・葬儀・告別式などにいただいた「お香典」に対するお礼です。「香典」は、四十九日までの間、故人の死を悼んで、その死に対するお悔やみの気持ちからいただくもの。四十九日法要という行事に対するお供えとは異なります。

葬家は、忌明けを迎える四十九日法要の終了後に、いただいた「香典」へのお返しをご自宅に送るのが一般的です。品物と共に、香典の心遣いに対する「感謝」と、四十九日の法要を終えて「故人に関する一切の仏事が滞りなく終わりました」という「報告」をしたためたお手紙を一緒に送ります。四十九日法要の終了後2週間~1か月以内に、先方に届くように配送します。

このように香典返しは、香典の「お礼」と忌明けの「報告」という2つの意味を併せ持つものなのです。

 四十九日のお返し香典返し
返す時期四十九日法要の当日 四十九日法要後2週間~1か月以内
返す方法法要後の会食会場で原則手渡し自宅へ配送お礼状を同封
誰から喪主喪主
誰へ四十九日法要のお供えを下さった方香典を下さった方 
返す理由四十九日法要のお供えへのお返し香典へのお返し
返す品物消えもの、消耗品(お米、お茶、海苔、お菓子、タオル)消えもの、消耗品(お米、お茶、海苔、お菓子、タオル)
金額金額は一律で準備3,000円~5,000円頂いた香典の半額(場合によっては1/3)
表書き粗供養、志志、満中陰志
水引白黒、白黄、銀結び切り白黒、白黄、銀結び切り
お礼状不要(ただし、後日送る場合は添付する)必要(品物に添付して送る)

四十九日法要のお返しの金額の相場

四十九日法要のお返しは、法要への参列者全員に同じ金額の物を準備します。金額の目安は、3,000円~5,000円程度。当日ご用意する会食の金額は5,000円~7,000円ぐらいが妥当なので、それと合わせて1人当たり10,000円程度か、それを多少超えるぐらいの金額ぐらいと考えておくと良いでしょう。

※あらかじめ会食があると知らされている場合、参列者は会食分の金額を足した程度のお供えを持参するようにします。このような考え方は特に決まりがあるわけではありませんが、古くからの日本の慣習によるもの。さまざまな行事の時には、相互扶助の精神で乗り切ってきた日本人の文化を思い起こさせる一面です。次の世代にも伝えていきたい考え方といえます。

香典返しのお返しの金額の相場

香典返しは半返し。これが一般的なマナーです。香典返しは、一律で準備する四十九日法要のお返しとは違い、いただいた香典の額に対しての金額で準備するもの。香典を10,000円いただいたら半額の5,000円程度の香典返しを、30,000円の場合は15,000円程度の香典返しを準備します。

ただし、亡くなった方が一家の担い手で、遺された家族の今後の生活が心配される等の場合は、半返しにこだわる必要はありません。また地域によっても違いがあり、1/3返しや、一律の金額で準備し当日返し、あるいはまったくなしという場合もあります。

四十九日法要のお返しのマナー

四十九日法要のお返しのマナー(1)熨斗の種類

弔事なので、右上に熨斗の付いている熨斗紙ではなく、熨斗の付いていない掛け紙を使います。水引は、白黒、白黄、もしくは銀の結び切りです。表書きは「粗供養」か「志」と書きます。また、四十九日を以て忌明けとなるので、薄墨でなく通常の濃墨を使用します。

※香典返しの場合、表書きは「志」「満中陰志」が一般的です。

四十九日法要のお返しのマナー(2)お礼状の書き方・注意点

四十九日法要のお返しは、法要当日に直接手渡しが原則ですので、その際にお礼を申し述べると良いでしょう。そのため、特にお礼状を準備する必要はありません。

しかし、当日参列できなかった方がお供えだけ送ってくださった場合は、お返しの引き出物をお送りする必要があり、その際はお礼状を同封します。お礼状の注意点は、次の通りです。

①頭語・結語を使用する 「拝啓」「敬具」など

②縦書き(お礼状、ご挨拶状は縦書きがマナー)

③季節の挨拶は不要

④読点、句読点は使わない(法要が滞りなく進むようにという意味から)

⑤薄墨は使用しない(忌中ではないため)

⑥お供えのお礼

⑦引き出物を送ったことを知らせる

⑧略儀の無礼を詫びる(本来は直接お目にかかってお礼するもの)

⑨差出人は喪主

お礼状の例文

拝啓 〇〇様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます
亡父△△の四十九日法要の際には お供えをお送りくださいまして誠にありがとうございました
おかげ様でこの度 四十九日法要をつつがなく執り行うことができました
お心遣いに感謝するとともに粗品をお送りさせていただきましたことをお知らせいたします お納めくださいますようお願い申し上げます
本来であればお伺いし 直接ご挨拶申し上げるべきところ 略儀ながらお手紙でのお礼となりますこと ご容赦くださいませ
今後とも 変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます
敬具
二〇二二年◇月□日
喪主の姓名

四十九日法要のお返しのマナー(3)お返しを渡すタイミング

四十九日法要では、法要の後、会食という流れが一般的です。会食が終わる少し前に、ご挨拶を兼ねてひとりひとりのお席を回りましょう。あるいは会食終了後、出口でひとりひとりにお渡ししてお見送りしても良いでしょう。故人とのつながりや思い出は、それぞれで違うものです。直接顔を見てお礼を伝えながら、お返しの品をお渡ししましょう。より深く感謝の思いを伝えることができるはずです。

法要のみで、会食は行わない場合は、法要終了後にお渡ししてお見送りします。

四十九日法要のお返しの選び方

四十九日法要のお返しの選び方(「消えもの・消耗品」を渡す)

弔事全般にいえることですが、いわゆる「消えもの・消耗品」といわれる「食べてなくなる物」や「使ってなくなる物」を選びましょう。これは「悲しみや苦しみを後に残さないため」といわれています。

代表的なものとしては、お米、海苔、日本茶、お菓子などが挙げられます。また、「悲しみを包み込む、拭い去る」ことからタオル、「悲しみを洗い流す」ことから洗剤や石鹸といったものも四十九日法要のお返しに適しています。

四十九日法要のお返しの選び方(ふさわしくないもの)

四つ足や生臭物(なまぐさもの)といわれる、肉や生魚は、殺生を禁ずる仏教の観点からよくないとされます。

また、慶事や神事のお供えに使われることの多い日本酒、鰹節などもふさわしくありません。

※ただ、現在は昔と比べて気にされない方が増えているのも事実です。

四十九日法要のお返しの選び方(その他の注意点)

1.みんなに喜ばれるものを選ぶ

好き嫌いが出るものは避け、誰にも嫌がられないもの、誰もが重宝するものを選びましょう。

2.持ち運びしやすいものを選ぶ

当日は、会食会場から自宅まで、お持ち帰りいただくことが前提です。紙袋に入れて形が変わらないものや、紙袋に入れてきちんと収まる長方形の箱入りのものを選ぶと良いでしょう。

3.日持ちするものを選ぶ

食品の場合は、賞味期限が短いものは避け、日持ちするものを選びましょう。また、四十九日当日、外に出したままでも腐らないように暑さの影響を受けないものを選びましょう。

4.個包装の物を選ぶ

手が汚れないだけでなく、衛生的な面からも個包装の物を選びましょう。

5.しきたりに合ったものを選ぶ

弔事では避けた方が良いとされるものを避け、消えものや消耗品を選びましょう。

6.弔事の包装を選ぶ

赤やピンクといった華やいだ色で包装するのではなく、グレーや青系など寒色を使った弔事の包装を選びましょう。

まとめ

四十九日法要は、葬儀・告別式に次ぐ大きな法要です。葬儀・告別式は、大切な家族と突然の別れを経験し、よくわからないままに弔いの儀式の渦中にいるようなもの。それと比べると、四十九日法要は、49日間の準備期間が与えられる点が大きな違いです。

とはいえ、たった49日間にするべきことは山のようにあります。ポイントは、なすべきことのリストアップと逆算してのスケジューリングです。しっかりと務めを果たし、故人を見送ることが一番の供養になるはずです。四十九日法要のお返しにも、香典返しにも人気のお米の詰め合わせは、こちらのページからご覧いただけます。

八代目儀兵衛の香典返しの特集はこちら

【執筆者プロフィール】

城戸景子
STUDIO STELLA代表
イメージコンサルタント/ビジネスマナー講師

神戸女学院大学文学部英文科卒業。コンピュータソフトウエア会社に就職後、営業秘書、営業に従事。その後転職、退職、結婚、子育てを経て、イメージコンサルタント資格を取得。外見のイメージ作りによる印象戦略の次は、内面を表すマナーが重要と考え、ビジネスマナー講師資格を取得。特にマンツーマンでのビジネスマナー研修は、内容が充実、日常のささいな疑問も解決できた、分かり易い上に印象に残ると人気。ビジネスマナー、生活マナー等マナー全般についてのオンラインコンサルティングも実施。お問合せ、ご相談はHPのお問合せから。

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