「お米番付 第11回大会」“本当においしいお米”は人の心を動かす

「お米番付 第11回大会」“本当においしいお米”は人の心を動かす

最終更新日:2025-02-14

2025年1月29日、東京・銀座にて、八代目儀兵衛主催「お米番付 第11回大会」の最終審査会、表彰式と交流会が開催された。今年で11回目を迎えた本大会。厳正な審査を経て最終審査に進んだ12名の生産者の中から、栄えある受賞者8名が発表された。最優秀賞1名、優秀賞3名、入賞4名までの計8名が受賞となり、残り4名は敢闘賞に選出された。表彰式後には、生産者やお米業界の関係者が集まる交流会も開かれ、これからの日本のお米づくりについて語り合う貴重な時間となった。

人が食べて“本当においしいお米”にこだわる

「お米番付」は人が食べて“本当においしいお米”を見極める、お米のコンテスト。生産者から出品されたお米はすべて機械に頼らず、一次審査から全て、日本米穀小売商業組合連合会(日米連)に認定された八代目儀兵衛のお米マイスターらが実際に食べて評価する。出品数も開催当初から格段に増え、今回は32道府県から182品の応募が全国から集まった。

一般的なお米のコンテストは一次審査の時点で、出品されたお米の成分を機械で計測し、ふるいにかける。そんな中なぜ「お米番付」ではすべて実食審査することにこだわるのかというと、八代目儀兵衛が考える“本当においしいお米”は、人が食べておいしいお米だからだ。おいしさの指標として、本大会では「香り」「ツヤ」「白さ」「食感」「粘り」「甘さ」「喉越し」この7つの要素を審査基準としている。基準米となる滋賀県のコシヒカリの点数を6点とし、審査員は専用のシートに点数を入れていく。シートの一番下にはコメントを記載する欄があり、点数だけでは表現しきれない、審査員が感じた味わいや感動についても記述していく。

審査は一次、二次、最終と三段階に分かれ、最終審査会では料理界の第一線で活躍するシェフや寿司職人など、食とお米のプロフェッショナルたちが集結する。審査委員長を務める「八代目儀兵衛」 代表取締役 橋本儀兵衛、「衹園さゝ木」店主・佐々木浩さん、フードコラムニスト・門上武司さん、「Ginza 脇屋」オーナーシェフ・脇屋友詞さん、「鮨よしたけ」店主・吉武正博さん、「八代目儀兵衛」Rice Master・橋本晃治が最終審査員を務めた。プロとしてのそれぞれの視点で食味審査を行い、最終審査の結果を出した。

食味審査だからこそ生まれる、人とお米の対話

「お米番付 第11回大会」で最優秀賞に輝いたのは、絹のような滑らかな舌触りと上品な甘みが特徴的だった、北海道上川郡剣淵町の秋庭伸夫さんの「ゆきさやか」だった。これまで米どころとされてきた地域のお米や、人気の「コシヒカリ」ではない新たなお米が選ばれたことから、日本列島の昨今の気候変動により、お米のおいしさは産地や品種だけでは判断できなくなってきていることが伺える。

※映えある最優秀賞に輝いた 北海道上川郡剣淵町「ゆきさやか」秋庭 伸夫 氏のインタビュー記事はこちら

最終審査員の皆さんによると、最終審査に残った12品のおいしさはどれも僅差だったそうだ。表彰式のコメントでは「生産者さんがだんだん少なくなっていく中で、こんなにも素晴らしいお米をつくる皆さんに、感謝しかない」「ごはん一粒一粒に、生産者さんの努力が詰まっている」と生産者へ、感動と感謝の言葉が贈られた。そして、総評として「最終審査に残ったお米をいただいた時の感動と、その時の口の中の甘みの余韻が未だに残ってるんですよね。生産者さんそれぞれのお米から『自分が作りたいお米は、こういうお米です』というメッセージが感じられました」とフードコラムニストの⾨上武司さんが言葉を残した。

このように本大会ではただ機械的にお米のおいしさを評価するのではなく、食味審査をする審査員とお米の間に対話が生まれる。八代目儀兵衛の五ツ星お米マイスターに話を伺うと、食味審査をする際は単に評価するのではなく、そのお米の良さをどうしたら見つけられるかを真剣に考えながら食味をしているそうだ。日々、八代目儀兵衛の米料亭でお米を炊く時も同じ。八代目儀兵衛 Rice Master・橋本晃治によると、お米の声を聞きながら炊き上げ、その中でお米が求める最適な状態を見極めることが、最高のごはんを炊く鍵になるそうだ。機械的になってしまいがちなお米のコンテストで人とお米の対話が生まれるのは、人が感じるおいしさにとことん向き合ってきた、八代目儀兵衛主催のお米コンテスト「お米番付」だからこそなのかもしれない。

これからも生産者と消費者をつなぐ“架け橋”として

生産者からの提案により、昨年から表彰式後に交流会も開催されるようになった。生産者、審査員、お米業界関係者が一堂に会し、お酒を交えながら意見を交わす。交流会では、生産者同士も互いの一年間の努力を讃え合い「受賞を機に、さらにおいしいお米づくりに励みたい」と熱く語る場面も見られた。

心を込めておいしいお米をつくった生産者と、おいしいお米を求めている消費者の“架け橋”となることがお米番付の一つの意義だ。本大会で受賞した8名の生産者のお米は例年、米料亭 八代目儀兵衛の京都祇園と東京銀座の両店舗にて期間限定で提供される。昨年、最優秀賞を受賞された広島県山県郡北広島町の水口一真さんからは「八代目儀兵衛の米料亭で、自分のお米が提供された時『これが本当に自分のお米なのか』と思うほどおいしかったです。今年も家族を連れていきたい」との感想が寄せられた。

「お米番付」では、出品されたお米のひとつひとつを食味審査で評価する中で、多くの時間を費やし、たくさんの人が関わっている。コロナ禍で本大会の開催継続を検討したこともあったが、そんな中でも八代目儀兵衛メンバーの熱意により、今回も開催することができた。今回、入賞された岐阜県岐阜市の奥村知己さんからも「開催を続けてくれたことに感謝したい」とのお声があった。

お⽶番付 審査委員⻑ 橋本儀兵衛は「『お米番付』の受賞米は人が食べて“本当においしいお米”だと自信を持っていただきたい。本大会で受賞することが生産者の皆さんのブランドに役立てばと思います」と言葉を残した。これからもお米番付は、生産者と消費者をつなぐ“架け橋”として、人が食べて“本当においしいお米”を発掘・評価していきたい。

【執筆者プロフィール】

荻野 奈々果
お米ライター/栄養士
日本米穀商連合会認定ごはんマイスター

広島女学院大学栄養学科を卒業後、新卒で米卸業者に就職。その後上京し、食品飲食業界にて栄養士・マーケターとしてお米の魅力を発信する。米卸業者での社長秘書、広報、営業としてのキャリアスキルを活かし、お米を主軸に置いた日本の伝統的な食文化を見直し、そこから次世代を見据えたお米の価値を創造していくなど、その活動の幅を広げている。日本米穀商連合会の「ぽかぽかお米びより」にてお米生活コラム「NaNaKaの穂のぼのMyライフ」連載中。

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