最終更新日:2024-11-25
産地や銘柄が異なるお米を混ぜ合わせた「ブレンド米」。みなさんは、どんなイメージを持っていますか? 「ブレンド米はおいしくない」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、それは昔の話。
最近では「お寿司専用ブレンド」「カレー専用ブレンド」など、料理や食事のシーンを想定してつくられたものも多く登場し、ブレンド米の新たな価値が見直され始めています。
お米をブレンドすることで、どんなメリットがあるのか、私たちの食卓はどう変わるのか、京の米老舗「八代目儀兵衛」が解説します。
ブレンド米ってどんなお米?単一米との違いは?
「ブレンド米(複数原料米)」とは、異なる銘柄(産地・産年・品種)を混ぜ合わせたお米のこと。反対にひとつの銘柄だけでつくられたお米のことを「単一原料米」と呼んでいます。
「産地」「産年」「品種」のいずれかが異なれば、そのお米は単一原料米ではなく、ブレンド米になります。例えば、同じ年に生産された「新潟県産のコシヒカリ」を8割「長野県産のコシヒカリ」を2割ブレンドした場合「産年」「品種」は同じですが「産地」が異なるため、このお米はブレンド米(複数原料米)として販売されるのです。
ブレンド米のメリット
複数のお米を混ぜ合わせることで、どんなよいことがあるのでしょうか?
ブレンド米のメリットには、大きく次の3つがあると言われています。
①品質の安定 ②食味の向上 |
順番に確認していきましょう。
①品質と供給量の安定
1つ目のメリットは、品質と供給量の安定です。お米の収穫量はその年によって変わるもの。「単一原料米」の場合、年によっては銘柄の出来高が優れず、品質が落ちたり、供給量が追いつかなかったりすることがあります。その点、ブレンド米ならその年の気候や出来高を考慮しながら、複数の地域からベストな銘柄を配合できるので、年間を通して安定した供給と品質の担保が叶います。
②食味の向上
2つ目のメリットは、食味の向上です。複数のお米を混ぜ合わせることで、それぞれのお米のよさが引き出され、新たな味わいが生まれるのが醍醐味。異なる産地や品種の掛け合わせによる、相乗効果に期待が集まっています。
ブレンド米のデメリット
結論から述べると、ブレンド米のデメリットはほとんどありません。とはいえ、ブレンド米は複数の銘柄を混ぜ合わせるため、単一原料米に比べると、地域や銘柄独自の個性は感じにくくなります。
実際に「既にお気に入りの銘柄がある人」や「特定の産地を応援している人」は、単一原料米を好む傾向があるようです。
「ブレンド米はおいしくない」は昔の話!ブレンド米の歴史
この記事を読んでいる方の中には「ブレンド米は本当においしいの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
「ブレンド米」=「おいしくない」というイメージがついてしまった背景には、1993年(平成5年)に起こった天候不順の影響があると言われています。
この年の日本は、およそ80年ぶりの大冷害に襲われ、深刻な米不足に陥っていました。こうした危機的な状況を見かねて、政府はお米屋さんに日本のお米と一緒に、海外から仕入れた「インディカ米(タイ米)」をブレンドして販売するよう指導。ところが、普段から食べ慣れていない外国米は、日本人の舌に合わず「ブレンド米はおいしくない」というイメージが定着してしまったのです。
もちろん「インディカ米」をはじめとした外国産のお米は、炊き方さえ間違えなければおいしく食べることができます。本来のインディカ米は、炊飯器ではなく、パスタのようにたっぷりのお湯で茹でて食べるお米です。お米の性質そのものが異なるため、日本の炊飯器で炊いてしまうとパサパサしているように感じてしまうのです。
今どき!最近のブレンド米のニーズはどこにある?
こうした記憶から「ブレンド米」というと平成初期の「インディカ米」を思い出す人も多いかもしれませんが、現代のブレンド米は当時のものとは全く別物です。
ここからは、今どきのブレンド米事情をご紹介します。今、求められるブレンド米の新たなニーズについて深掘りしていきましょう。
① 業務用のオリジナルブレンド米をつくりたい
前述の通り、ブレンド米は単一原料米よりもリーズナブルな価格で入手しやすいお米です。こうしたメリットを活かして近年「オリジナルのブレンド米をつくりたい」という外食産業のニーズが高まっています。
実際に、大手牛丼チェーン「吉野家」が牛丼に合う独自のブレンド米を導入したことや、ヘルシーメニューが評判の「タニタ食堂」がオリジナルの「金芽米」を販売しているといった導入事例は記憶に新しいかもしれませんね。
業務用ブレンドを導入する際には安さだけに目を向けず、信頼できるお米屋さんや企業に相談してみてください。
② 複数のお米を混ぜることで新たなのおいしさを体験したい
ブレンド米の最大の魅力は、複数の銘柄を混ぜることで、単一原料米では実現できない複雑な味わいを表現できることにあります。
お米は日本の主食。毎日食べても飽きないのは、どんなお料理にも合う素朴な味わいやアレンジ力の高さのおかげかもしれません。
コーヒーやワインを選ぶように、その日食べる食事にピッタリと合う「お米」を選べたら。また、その日の気分に合う「お米」を選べたら。ブレンド技術の向上によって、ブレンド米はより一層消費者のニーズを叶える食品へと進化しているのです。
「五つ星お米マイスター」がお料理に合うお米を厳選!八代目儀兵衛おすすめのブレンド米
京の米老舗八代目儀兵衛では、お米の知識と経験、繊細な味覚で1%の違いにこだわり抜き、和食や洋食、中華など、それぞれの料理のよさを引き出す「料理米(ブレンド米)」を販売しています。
ブレンド米の魅力は、足し算ではなく掛け算。複数のお米をブレンドすることによって、よりふくよかで奥深い味わいが引き立ちます。
ここからは、「五ツ星お米マイスター」が生み出した八代目儀兵衛とっておきの料理米をご紹介します。読めばきっと、食べてみたいお米が見つかるはず。ブレンド米の新たな魅力を体験してみてください。
五ツ星お米マイスターとは? お米の「説明能力」「ブレンド技術」「美味しいご飯の炊き方」等の知識を日米連から認定された人に与えられる資格。八代目儀兵衛には総勢34名(令和2年9月現在)のお米マイスターが所属しています。 |
①寿司料理に「料理米シリーズ『鮨』」
寿司料理の腕を上げてくれる、大粒の銀シャリが魅力的な「料理米シリーズ『鮨』」。寿司に使用されるシャリはブレンド米の優位性が最も発揮される分野です。粘りが少なく、口の中でサラリとほどける食感にこだわって開発しました。
一粒一粒の粒感が、あらゆる寿司料理を引き立てます。いつものちらし寿司や巻き寿司も、一気にお店の味に!
②粒感と滑らかさが自慢「カレーライス専用米」
カレー提供飲食店の声を元に開発された、カレーライス専用米が登場しました。噛むほど甘みを感じるお米は、カレールーとの相性もバッチリ。
どんなカレーにも合う「白」、カレー専用玄米「金」の2種類をご用意しています。弾力のあるプチプチ食感は、一度食べたら病みつきに。
③和食を引き立てる「料理米シリーズ『和』」
大粒でふっくら、口の中でふんわり溶けるお米が、繊細な和食の風味を引き立てる自慢の一品。煮物料理、魚料理のお供にどうぞ。
④おむすび・お弁当に最適「料理米シリーズ『結』」
お弁当やおむすびには、冷めてもおいしいお米をチョイスしませんか? 「料理米シリーズ『結』」なら、きゅっと握っても、お弁当に詰めても、粒がベタつく心配ナシ。出来立ても、冷めても、甘味が広がるおむすび専用のお米です。
プロが伝えたい!毎日のごはんがもっとおいしくなるブレンド米の楽しみ方
お気に入りのブレンド米が見つかったら、すぐにでも食べてみたくなるもの。だけどせっかくなら、色々な角度からブレンド米を楽しんでみませんか?
毎日のごはんがもっとおいしくなるアイディアを、八代目儀兵衛がご紹介します。
①ブレンド米の正しい炊き方を知る
「お米は力一杯、水が透明になるまで研ぐもの」と思っていませんか? 現代のお米はきれいに精米されているので、研ぎすぎはNG。これを機に、お米の研ぎ方をアップデートしましょう!
①お米はキッチンスケールを使って計量する(1合あたり150g) ②お米の入ったボウルに水を入れ、さっとかき混ぜて水を切る ③お米を優しく研ぐ。優しく握っては離すイメージで ④すすいで水をよく切る(すすぎは3回程度でOK) ⑤水を加えて60分浸水する(1合あたり190gの水) ⑥炊飯器の「早炊きモード」で炊く ⑦炊き上がったら、すぐにふたをあけてかき混ぜる ⑧余ったご飯は熱いうちに小分けにして、ラップとアルミホイルで包んで手早く冷蔵庫へ! |
【炊飯器&土鍋】プロが教える本当においしいお米の炊き方をご紹介!
②ブレンド米に「季節の食材」や「ごはんのお供」をプラスする
いつものご飯に、季節の食材をプラスすれば食卓が一気に華やかになります。春は食卓に花咲く「桜ごはん」、夏は食欲をそそる「うなぎごはん」など、四季の変化を感じられるはず。
忙しい平日の夜やのんびりしたい休日のランチには、ごはんのお供が大活躍!「炊き込みごはんの素」や「大人の欧風カレー」など、主役級のお供でアレンジレシピをお楽しみください。
③ブレンド米ギフトを大切な人に贈ってみる
おいしいブレンド米が見つかったら、大切なあの人にプレゼントしてみませんか?
私たちの日常に欠かせないお米は、人生の大切な節目に、神様や相手への敬意・感謝を表す縁起のよい贈り物でもあります。
出産祝いや結婚祝いなど、お祝いのギフトにもぴったり。日持ちがしやすく、贈る相手を選びにくいのも嬉しいポイントですね。
毎日の食事にもギフトにも!おいしい「ブレンド米」を取り入れてみませんか?|まとめ
「産地」「産年」「品種」が異なるお米を混ぜて販売される「ブレンド米」。
お米の供給や品質を安定させるために用いられていましたが、時代の移り変わりとともに「混ぜるからこそ生まれる新しいおいしさ」に注目が集まっています。カレー好きなあの人に、「カレー専用米」を贈ったり、「お寿司専用米」でみんなで手巻き寿司パーティーを楽しんだりすれば、お米の楽しみ方はどこまでも広がっていきます。
八代目儀兵衛ではいつものごはんがもっと味わい深くなる方法な料理米(ブレンド米)をご用意しています。毎日の食事からギフトまで。ぜひ、お気に入りのブレンド米を探してみてはいかがでしょうか?