粗供養のタブーやマナーの押さえるべきポイント

粗供養のタブーやマナーの押さえるべきポイント

最終更新日:2022-07-17

「葬儀」や「法事」といった言葉と比べると、あまり聞きなれないのが「粗供養」という言葉かもしれません。しかし粗供養は、葬儀を行うのであれば必ず覚えておかなければならない事柄です。粗供養がどのようなものかを知らなければ、参列者に対して失礼となる場合もあります。ここでは、そんな粗供養の詳細やマナー、またはタブーについて詳しく解説します。

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【記事編集】

京の米老舗 八代目儀兵衛

江戸時代より続く、京都の米屋。風呂敷で包まれた「お米のギフト」やきめ細やかなサービスは、「贈ったら必ず褒められる贈りもの」と評判。慶弔問わず、人生の大切な日や大切な相手への贈りものとして高い評価を受けている。セブン-イレブンやHITACHI、伊藤園といった大企業ともコラボ実績多数。お米への深い愛情と知識、鍛え上げられた技術やノウハウに、メディア取材・出演も多く、テレビ・雑誌・WEBでの注目度も高い。

粗供養とは?

粗供養(そくよう)は、葬儀や仏事の返礼品のかけ紙(のし紙)の表書きに用いられる言葉です。地域によって用いられるところとそうでないところがあり、主に中部地方や関西地方で用いられます。なお、一部の地域では「祖供養」と表記される場合もあります。これは、「先祖への供養」を意味しているといわれています。

粗供養には、大別して2つの意味(定義)があります。ひとつは葬儀の日に渡す即日返しとしての意味であり、もうひとつは法事の返礼品としての意味です。いずれも香典返しの意味を持ち、喪主や施主が参列者に対してお返しをする場合に用いられます。「粗供養」という言葉に相手方に対してへりくだる意味を持つ「粗(例:粗品)」という漢字が含まれているのは、このような理由からです。粗供養は喪主や施主から贈られるのが一般的ですが、一部の地域では施主以外の親族が用意して葬儀の参列者に渡す習慣もあります。

粗供養品は、葬儀の当日に受付にて渡す(返す)場合には「会葬御礼」や「即日返し」と呼ばれます。一般的には、葬儀で受け取った香典に対するお礼としてその半額程度の価値の品で返すものとされています。ただし、葬儀の当日に返す「即日返し」の場合は香典の金額に合わせた品を用意することができないため、原則として全ての参列者に同じものを返すことになります。

「会葬御礼」と「即日返し」はいずれも葬儀の当日にお渡しするものですが、このふたつは厳密にいえばそれぞれの役割が異なります。「即日返し」は上述したように香典に対するお礼であるのに対して、「会葬御礼」は葬儀への参列に対するお礼です。とはいえ、現在ではこのふたつは概ね同様の意味で用いられるようになりつつあります。

「お供え」や「満中陰志」との違い

粗供養に関しては、しばしば「お供え」や「満中陰志」と意味が混同されることもあります。

「お供え」は、葬儀の参列者が供養のために持参する品を指す言葉です。これに対して「粗供養」は喪主・施主が参列者にお礼として渡す品を指します。

「満中陰志」は、主に関西地方で用いられる言葉で四十九日の香典返しを意味します。亡くなった方があの世へ渡る期間を「中陰」と呼び、この中陰が満ちたときに贈るのが満中陰志です。つまり満中陰志とは、四十九日を迎えたときに喪主・施主から参列者に贈る感謝の気持ちと考えるとよいでしょう。なお、関西地方では満中陰志と呼ばれますが、中部地方や九州地方では「茶の子」と呼ばれることも多いようです。

お供えや満中陰志と混同されがちな粗供養ですが、その違いを簡潔に表すとお供えは参列者からの品であり、満中陰志は喪主・施主からのお礼の品です。また、葬儀の当日や数日後に喪主・施主から贈るのが粗供養であり、四十九日を過ぎてから贈るのが満中陰志です。それぞれ贈り主と贈る時期が異なると覚えておくとよいでしょう。

粗供養のマナー・タブー

粗供養品を贈る際には、守るべきマナーや避けるべきタブー、または押さえておくべき点があります。以下では、基本的なものについてみていきます。

後に残らない品を選ぶ

粗供養品を贈る際のマナーとして、「後に残らないもの」を選ぶことが大切です。これは、粗供養品がいわゆる不祝儀(ぶしゅうぎ)と呼ばれるものであり、繰り返されないようにとの意が込められているためです。こうした理由から、使用(消費)することで消えるものがよいとされています。たとえば、お菓子、お茶やコーヒーなどの食品などが例として挙げられます。なお、食品が望ましいといっても祝い事の場で贈られるような酒類や、傷みやすい肉や魚などは避けるのがマナーです。他にも、商品券やギフトカードのように金額が明示されているものもマナーとして避けるのが一般的です。

なお、会葬御礼として当日にお渡しするものであれば、大きすぎず軽いものを選ぶ必要があります。贈った相手に喜んでいただくことは大切ですが、葬儀の参列の帰りに荷物になるようなものを避けるのが望ましいでしょう。

のし紙をかける

粗供養品には、のし紙をかけて贈るのがマナーとされています。のし紙の色については多種多様ですが、全国的には白と黒が一般的とされています。なお、中部地方や関西地方などの一部地域では黄色が用いられることも多くなっています。結び方は、「同じことが繰り返されないように」という意味を込めた結び切りにします。

正しいタイミングで贈る

粗供養品を渡すタイミングは、粗供養品をどのような位置づけとして捉えているかによって異なります。冒頭で触れたように、会葬御礼としての位置づけであれば葬儀の当日に「即日返し」として渡します。これに対して、香典返しとしての位置づけであれば葬儀後に贈るのが一般的です。もっとも、香典返しとして葬儀の当日に贈るケースも決して無いというわけではありません。これは、主に遺族の負担が大きい場合に、後日にあらためて贈るのではなくその日に贈ることで負担を減らすという考えに基づいています。

地域ごとの慣習を知る

粗供養品に関しては、一部の地域によって慣習が異なる場合があります。たとえば、関西地方では複数の粗供養品をセットで贈ることがあります。こうした風習は、たとえば喪主である母と施主である長男でそれぞれ品を分けることが理由だといわれています。また、地域によって連名とするところもあります。表記は「施主○○ 長男○○」といった形です。他の地域的な特徴としては、中部地方や関西地方、さらには四国地方では「粗供養」と記されるのが一般的ですが、それ以外は全国的に「志」と記されることが多いようです。

粗供養品はそれぞれ地域ごとの慣習があるので、その地域の慣習に詳しい方に事前に確認しておくことが大切です。

お寺さんにも渡す

初めて粗供養品を贈る際に忘れられがちなのが、お寺さんへの粗供養品です。一般的には、参列者への粗供養品と同じものを贈るとされています。

粗供養にはお礼の手紙を添える

参列者に直接会って粗供養品を渡す場合は別として、宅配便で贈る場合にはお礼の手紙を添えるのがマナーです。手紙の内容には、主に以下の5点を含めます。

・挨拶

・故人の名前、喪主・施主との関係性や続柄

・参列に対するお礼

・生前にお世話になったことに対するお礼

・書面での挨拶による非礼の断り

お礼の手紙の書き方・文例

お礼の手紙は長すぎず短すぎずというのが理想です。以下が書き方の一例です。


粛啓
亡父○○ ○○の葬儀に際し過分なお心遣いをいただきまして心より御礼申し上げますまた生前に賜りましたご厚情に深く感謝申し上げます心ばかりではございますが供養のしるしまでに御礼の品をお贈りいたします何卒ご受納いただければ幸いに存じます
略儀ではございますが先ずは御礼ご挨拶申し上げます
敬具
令和○年○月○○ ○○(喪主・施主の氏名)

粗供養品におすすめの品物や相場

粗供養品を決める際には、品物の相場や種類について押さえておく必要があります。

相場について

粗供養品の相場は、上述したように葬儀の当日に贈る会葬御礼の場合と後日に贈る香典返しの場合とで異なります。香典返しの場合は、いただいた香典の半額を上限とするのが一般的な目安です。たとえば、香典が5千円であれば1,500円~2,500円、1万円であれば3,000円~5,000円を目安とするとよいでしょう。

これに対して当日に渡す会葬御礼の場合、香典の金額が分からないため事前に決めておく必要があります。相手に合わせて会葬御礼の中身を変えることはできないため、全ての参列者に同じ粗供養品を渡すという点に注意が必要です。なお、香典の相場は故人との関係や自身の年齢によって異なりますが、概ね以下が目安となっています。

■親族関係

▼両親(義理の両親を含む)

20代50,000円
30代~40代50,000円~100,000円
50代~60代100,000円

 

▼兄弟姉妹(義理の兄弟姉妹を含む)

20代30,000円~50,000円
30代~40代50,000円
50代~60代50,000円

 

▼祖父母(義理の祖父母を含む)

20代30,000円
30代~40代30,000円~50,000円
50代~60代50,000円

 

▼叔父・叔母(伯父・伯母)

20代10,000円     
30代~40代30,000円
50代~60代30,000円

 

▼親戚(遠縁)

20代5,000円~10,000円
30代~40代10,000円
50代~60代10,000円

 

■職場関係

▼上司・上司の親族

20代5,000円
30代~40代5,000円~10,000円
50代~60代10,000円

 

▼同僚・同僚の親族

20代5,000円
30代~40代5,000円~10,000円
50代~60代10,000円

 

親族や職場以外の友人・知人の場合は間柄にもよりますが、概ね職場の同僚と同じ水準が目安と考えられています。

会葬御礼の品を考える場合には、上記の香典の相場からある程度の目安を決めるとよいでしょう。大まかに分けるのであれば、身内の葬儀の場合は5,000円程度、身内以外の場合は2,500円~3,000円を目安にするとよいかもしれません。

粗供養の相場はいくら?葬儀・法要それぞれの場合の金額について

喜ばれる粗供養品①【会葬御礼として】

会葬御礼として粗供養品を贈る場合は、持ち帰る際に荷物にならないものにするのがマナーです。よく選ばれるものとしては、お茶やお菓子、コーヒー、調味料、海苔などが挙げられます。また、食べ物以外では石鹸や洗剤などの消耗品も選ばれています。上述したように粗供養品のマナーとして「残らないもの」を選ぶことが大切ですが、使い切るまでに時間がかかるタオルやハンカチなどの白物も粗供養品として選ばれています。どのような品が喜ばれるかが分からないという場合には、相手に選んでもらうカタログギフトという選択肢もあります。

喜ばれる粗供養品②【香典返しとして】

会葬御礼ではなく香典返しとしての意味で粗供養品を贈る場合は、当日に直接お渡しするものよりも大きく重さのあるものでも問題ありません。大きさや重さのある消耗品となると範囲がある程度限られますが、後日に送り届けるのであれば、その利を活かしてやや重量のあるものでもよいでしょう。受け手も「良い品をもらった」と感じやすく、それだけ心に残るかもしれません。たとえば「毎日使うもの」「誰にでも喜ばれる必需品」として、お米などが多くの方に選ばれています。

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粗供養品でお悩みなら

粗供養は、葬儀に参列した方々に対する大切なお礼です。心を込めたお礼ができるよう、基本的なマナーやタブーを押さえておくことが大切です。京の米老舗 八代目儀兵衛では、粗供養品にぴったりな品を豊富に取り揃えています。また、粗供養に関するマナーや不明点などのご相談も承っております。粗供養品でお悩みであれば、ぜひお気軽にご相談ください。


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