最終更新日:2022-05-05
四十九日の法要に招かれたら、香典袋に包んだ現金またはお供えを持参します。四十九日の香典の金額は、故人との関係性によっても異なるため「いくら包むべきか」迷っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、四十九日法要の香典の相場や香典袋の書き方など基本のマナーについて、京の米老舗八代目儀兵衛が解説します。
【関係性別】四十九日法要香典の金額の相場
父親・母親(子供の場合)
祖父・祖母(孫の立場の場合)
叔父・叔母の場合
兄弟・姉妹の場合
友人・隣人の場合
職場関係の場合
四十九日法要を欠席する場合は?
電話で欠席のお詫びを入れる
四十九日法要の前日までに香典または御供物を郵送する
お詫びの手紙を同梱する
【四十九日法要】香典袋(不祝儀袋)の書き方
表書きは「御仏(佛)前」「御供物料」
水引は黒白の結び切り
署名はフルネーム
夫婦で出席する場合の署名
子連れで出席する場合の署名
香典袋の連名は最大3名まで
4人以上の場合は代表者の名前を記載する
金額は中袋の裏面に書く
キリスト教・神式の香典袋
四十九日法要の香典で知っておきたいこと
Q 香典はどうやって渡せばいい?
香典に使うお札は新札でもよい?
香典は薄墨で書くべき?
四十九日法要には香典とお供えの両方が必要?
香典を辞退された場合はどうすればいい?
「偲ぶ会」に招かれたら?
四十九日法要・服装や持ち物のマナー
四十九日法要の服装
四十九日法要の持ち物
四十九日法要にお供えを持参・郵送する時のマナー
お供えの相場
お供えの掛け紙(熨斗)
お供えの定番は?
四十九日法要に招かれたら香典を用意しましょう|まとめ
四十九日法要のお供えも八代目儀兵衛にお任せください
【関係性別】四十九日法要香典の金額の相場
四十九日法要に包む香典の金額は、葬儀の時に包んだ香典の5割から7割が目安。
「死」や「苦」を連想させる「4」や「9」、「亡くなる」を連想させる「6」などの忌数字は避けるようにします。また、割り切れる偶数は、縁の切れ目を連想させるため香典には使わないのが一般的です。
とはいえ、香典の金額は故人との関係性や地域の風習によっても異なります。迷った場合は、周りの人と相談しましょう。
父親・母親(子供の場合)
故人が実の両親または義理の両親にあたる場合は、一人なら3万円、夫婦なら5万円が香典の相場となります。法要後の会食に子連れで参加する場合は、そちらも考慮して金額を決めます。
両親を亡くした場合、ご自身の立場は「遺族」になりますが、すでに結婚している場合は、別世帯として香典を包むのがマナーです。
「4」や「9」などの数字は避け、年齢によって適切な金額を選ぶとよいでしょう。40代・50代の方であれば、相場よりも少し高い金額を包んでも問題ありません。
祖父・祖母(孫の立場の場合)
故人が祖父母にあたる場合は、5千円から1万円が香典の相場となります。こちらも年齢に合わせて金額を調整します。孫が未成年の場合は、香典は親の分だけでも構わないという考え方もありますが、施主は出席する家族全員分の食事を準備しています。迷ったら親の香典に5千円ほど追加して準備しておくとよいでしょう。
孫が結婚して親と別世帯になっている場合は、本人の名義で香典を包みます。
叔父・叔母の場合
故人が叔父・叔母にあたる場合は、一人5千円から1万円が相場となります。40代・50代の方であれば、香典と一緒にお供えを渡したり金額をプラスして合計で3万円ほど包んでもよいでしょう。
兄弟・姉妹の場合
故人が兄弟・姉妹にあたる場合は、3万円から5万円が香典の相場となります。故人が一家の働き手であった場合や遺族に子どもがいる場合は、相場よりも多く包むこともあるようです。
友人・隣人の場合
故人が友人・隣人に当たる場合は、3千円から1万円が香典の相場となります。一緒に参列する友人がいる場合は、あらかじめ相談し金額を揃えておくのが賢明です。
職場関係の場合
四十九日法要は、基本的に親族などの身内で行うため、職場関係の上司や部下が参列することは珍しいケースです。法要に招かれた場合は、3千円から1万円を目安に香典を準備します。
会社内など連名で香典を包む場合は、香典の金額を決めて人数で割るのが一般的です。例えば、1万円の香典を3人で割った場合、一人当たりの金額は約3千円となります。
四十九日法要を欠席する場合は?
四十九日法要に招かれたら、原則出席するのがマナーです。案内状のハガキが届いたら、できるだけ早く出席の連絡をしましょう。
しかし、さまざまな事情で四十九日法要に出席できないこともあります。そんなとき、大人としてどう対応すればよいのでしょうか?
電話で欠席のお詫びを入れる
やむおえない事情で四十九日法要に出席できない場合は、まずは電話ですみやかに欠席やその理由を伝えます。
特に妊娠中や体調不良が続いている場合は、無理をして伺うとかえって遺族に気を使わせてしまうかもしれません。一方、友人など、親族以外の結婚式が重なった場合は、法要を優先させるのがマナーです。
四十九日法要の前日までに香典または御供物を郵送する
四十九日法要に出席できない場合は、前日までに香典またはお供えが届くように手配します。香典を現金で送る場合は、現金書留で送るか葬儀に参列する人に託しましょう。
香典を代理で渡してもらう場合は、表書きの署名の左下に「(代)」と記載します。なお、配偶者が代理で出席する場合は「(内)」となります。
香典の金額については「会食に参加しない分、相場よりも低くても問題ない」という意見もありますが、こちらも宗教や地域によって捉え方は異なるため、必ずしもその限りではありません。迷ったら周りの人に相談するか、相場を目安に包むとよいでしょう。
お詫びの手紙を同梱する
香典やお供えを郵送する場合は、お詫びの手紙を同梱すると丁寧です。
この度◯◯様の四十九日の法要のご案内をいただき誠に恐れ入ります。 本来ならば、参列させていただくところですが、あいにく〇〇(理由)のため、伺うことができぬ失礼をお許しください。 心ばかりのものを同封いたしますので、御仏前にお供えくださいますようお願い申し上げます。 また、改めてお墓にお伺いし、お参りさせていただきたく存じます。 皆様もどうぞご自愛くださいませ。 |
【四十九日法要】香典袋(不祝儀袋)の書き方
香典の金額が決まったら、香典袋を用意しましょう。参列者から施主に渡す香典袋には、決まった書き方があります。
表書きは「御仏(佛)前」「御供物料」
故人の魂は、四十九日までは「霊」の状態。四十九日法要で成仏し「仏」になると考えられています。そのため仏教であれば「御仏前」または「御佛前」を選びます。
しかし、浄土真宗では「故人の魂は死後すぐに成仏する」また「御仏前として現金を供えるのは失礼」と考えられているため「御仏前」は使用できません。
香典袋の表書きをどのように書けばいいのか迷った時は、「御供物料」を選ぶとよいでしょう。「御供物料」は「香典をお供えします」という意味になるため、浄土真宗でも問題なく使用できます。
水引は黒白の結び切り
香典袋の水引は、黒白または双銀結び切りが基本です。関西地方や一部地方では、黄白結び切りが使用されることもあります。
署名はフルネーム
香典袋には、香典を包んだ人の名前をフルネームで記載します。このとき、署名は表書きよりもやや小さめに書くようにします。
夫婦で出席する場合の署名
夫婦で出席した場合は、基本的には世帯主の氏名のみを記載するのが一般的です。
連名にする場合は、中央に世帯主(夫)の名前を書き、その左側に妻の名前のみを記載します。
なお、夫が何らかの事情で出席できず、妻が代理を務める場合は、先ほども述べたように夫のフルネームの左下に小さく「(内)」と記載しましょう。
子連れで出席する場合の署名
収入のない未成年の子どもと出席する場合は、親の名前だけでも問題ありません。連盟で書く場合は、中央に世帯主(夫)の名前を書き、その左側に子どもの名前のみ記載します。
香典袋の連名は最大3名まで
職場のグループや友人など、連名で記載する場合は、それぞれのフルネームを記載します。上下関係がある場合は、目上の人を右側に、上下関係のない場合は右から五十音順で記載します。香典袋に記載するのは最大3名が目安です。
4人以上の場合は代表者の名前を記載する
4人以上になる場合は、香典袋には代表者のフルネームを記載し、その左側に「外一同(ほかいちどう)」と付け加えます。会社の場合は、「〇〇株式会社 〇〇一同」とします。
代表者以外の名前は、半紙や奉書紙に名前と住所・包んだ金額を縦書きで記載しましょう。
金額は中袋の裏面に書く
中袋の裏面の左下には香典の金額を記載します。金額を書く際には、次の3点に注意しましょう。
①頭に『金』と記載する ②数字は漢数字・旧字体が望ましい ③後ろに『阡円』『萬円』と記載する |
●漢数字(旧字体)の書き方
略式 | 正式 |
金五千円 | →金伍阡円 |
金一万円 | →金壱萬円 |
金三万円 | →金参萬円 |
金五万円 | →金伍萬円 |
金十万円 | →金拾萬円 |
弔事の場合は、中袋の表面には何も書かないのがマナーです。裏面の右下に金額を、左下に住所と氏名を記載します。
キリスト教・神式の香典袋
キリスト教・神教の場合は、表書きが異なるため、注意しましょう。
表書き | 水引 | 署名 | |
キリスト教 | ・御ミサ料(カトリック) ・忌慰料(プロテスタント) | ・のしなし ・十字架や百合の花がついた白無地袋 | フルネーム |
神式 | ・「御玉串料」 ・「御神前」 ・「御榊料」 | ・黒白か双銀の結び切り | フルネーム |
四十九日法要の香典で知っておきたいこと
弔事の贈り物は複雑なマナーがあり、ハードルが高いものに感じられるかもしれません。実際にマナーとして広く知られている行いであっても、地域の風習によっては例外が生じることもあるようです。しかし、基本的なマナーさえ知っておけば、大きく失敗することはありません。ここでは、四十九日法要で知っておきたい香典のマナーについてQ&A形式でご紹介します。
Q 香典はどうやって渡せばいい?
A 弔事用の袱紗から香典を取り出し、遺族に手渡します。
故人に手向ける香典は、袱紗(ふくさ)と呼ばれる弔事用の四角い布に包んで持参します。袱紗の色は、紺・深緑・灰緑・紫・グレーなど落ち着いた色合いのものを選ぶのがマナーです。
法要が始まる前に袱紗から香典を取り出し、相手から名前が読めるように向けて手渡します。その際は「御仏前にお供えください」など一言添えてお渡ししましょう。
香典に使うお札は新札でもよい?
A 新札を包んでもよいとされています。
葬儀や通夜では、予め不幸を予測して用意していたと捉えられてしまうことを避けるために、新札はマナー違反とされています。一方、四十九日法要は事前に日程を知らされた上で出席するため、新札を包んでも問題ありません。
香典は薄墨で書くべき?
A 濃い墨を使用するのが一般的です。
葬儀や通夜では、突然の知らせに「悲しみで涙が滲む」「墨を擦る余裕がない」といった心を表すために、薄墨を用います。しかし、薄墨を使用するケースは葬儀と通夜のみ。四十九日法要や一周忌、三回忌など事前に予定がわかっている法要では薄墨は使用しません。
四十九日法要には香典とお供えの両方が必要?
A 地域や宗教によって異なりますが、一般的には香典のみでよいとされています。
基本的には、香典(現金)かお供えのどちらかを持参するため、香典のみでもマナー違反にはなりません。両親や兄弟など親族の法要には、香典に加えてお供え物や供花を用意する方が多いようです。
どちらか片方にする場合は、香典を用意するのが無難です。お供えを持参するかどうかについては、地域や宗教によって考え方が異なるため、親族に確認しておくと安心ですね。
香典を辞退された場合はどうすればいい?
A 念のために香典を持参し、周囲の様子をみて判断しましょう。
四十九日法要の案内に「香典は辞退します」と断りの文章が記載されている場合もあります。そのような場合は基本的には、施主の意向に従います。しかし、実際には持参した方の香典を受け取るといった例もあるため、念のために香典を持参しておき、最終的な判断は周囲の様子を見ながら行いましょう。
なお、遺族側がお供えや供花を辞退していない場合は、香典の代わりにお供えや供花を持参したり郵送したりする場合もあるようです。お供えや供花は、現金と違い形に残るもの。ですから、嵩張るものを贈る場合は、辞退を表明していない場合でも、事前にその旨を知らせておきましょう。
「偲ぶ会」に招かれたら?
A 会費制であれば香典は不要です。
偲ぶ会とは、葬儀後に改めて設ける「故人のお別れ会」です。一昔前までは、著名人が行うものというイメージがありました。しかし、最近では「葬儀の際にゆっくりと時間を設けることができなかった」「たくさんの人を呼ぶことができなかった」などの理由から、一般の方も偲ぶ会を設けるケースが増えています。
会費制の偲ぶ会に招かれた場合は、香典は不要です。会費制でない場合は、白無印の封筒に現金を入れて持参しましょう。表書きは「偲ぶ」「志」などが一般的です。
四十九日法要・服装や持ち物のマナー
四十九日法要の案内状にはしばしば「平服でお越しください」と記載されていますが、平服とは一体どんな服装を示しているのでしょうか?四十九日法要の服装や持ち物のマナーについて、簡単に確認していきましょう。
四十九日法要の服装
参列者の服装は、略式礼服の着用が基本のマナーとなります。男性は、黒のスーツに白いワイシャツ・黒いネクタイを着用します。靴下と靴も黒で揃えましょう。女性は、黒を基調としたワンピースやアンサンブルなどを着用します。ストッキングやパンプス・鞄もすべて黒で統一するのがマナーです。
子連れで参列する場合は、制服か黒や紺などの落ち着いた色合いの洋服を着用させます。
四十九日法要の持ち物
四十九日法要の持ち物は次の通りです。そのほかに、宗派によって必要なものがないか事前に確認しておきましょう。
・香典 ・袱紗(ふくさ) ・白か黒のハンカチ ・線香・数珠 ・持参する場合はお供え・供花 |
四十九日法要にお供えを持参・郵送する時のマナー
香典に加えて、お供えを持参したい場合は、どんなことに気をつければよいのでしょうか? 四十九日法要のお供えの相場や定番の品について解説します。
お供えの相場
お供えの相場は、香典と合わせて持参する場合は3千円から5千円が相場となります。お供えのみを渡す場合は、冒頭でご紹介した香典の相場を参考に品物をお選びください。
お供えの掛け紙(熨斗)
四十九日の法要に持参するお供えには、熨斗ではなく掛け紙を使うのがマナーです。黒白や双銀・黄白の結び切りの掛け紙に「御供物」と記載しましょう。
お供えの定番は?
四十九日法要に限らず、お供えには「五供(ごく・ごくう)」と呼ばれる5つの品物があります。お供えには使ったり食べたりすることでなくなる「消え物」を選ぶのが定番です。
香 | お線香を意味します。定番の品物である故、ほかの親族と重なってしまうこともあります。 |
花 | 供花を意味します。香りが強すぎないものを選びましょう。 |
灯明 | ロウソクを意味します。暗闇を明るく照らすという意味があります。 |
水 | 「死者は喉が渇く」とされており、古くから欠かせないお供えの定番です。 |
飲食(おんじき) | 遺族と故人が同じものを食べることで、仏様やご先祖様と繋がることができると考えられています。朝と夕に炊きたてのご飯をお供えします。 |
四十九日法要当日に持参する場合は、後に残らない「消え物」や、お供えをしてから「御下がり」として配りやすい個包装になったものが喜ばれます。殺生を連想させる生の魚や肉、慶事に贈る縁起物などはマナー違反となるため注意しましょう。
四十九日法要に招かれたら香典を用意しましょう|まとめ
故人が亡くなってから四十九日目に行う四十九日法要は、故人にとっても、また遺族にとっても大切な節目となります。故人を無事極楽浄土へと送り出すためにも、できる限り出席するのがマナーです。
香典の金額は、故人との関係性や年齢によっても大きく異なりますが、一般的には葬儀に持参した香典の5割から7割が目安となります。表書きや水引などは地域や宗教によって異なるため、わからないことがあれば施主に確認しておきましょう。
四十九日法要のお供えも八代目儀兵衛にお任せください
香典と一緒に供え物を持参する場合は、タブーを避け、お供えをした後に親族で分け合うことができる「消え物」が喜ばれる傾向にあります。
京の米老舗八代目儀兵衛では、弔事専用ギフト「偲シリーズ」をご用意しております。2合ずつ個包装になったお米は、お供えした後の「御下がり」にも最適な贈り物です。
故人への感謝の心や色とりどりの想い出を、おいしいお米に託して。宗教に応じた熨斗や包装紙、お供えのマナーも八代目儀兵衛にお任せください。