【番付受賞米シリーズ】「お米に作ってもらってる農家」が育てた、大粒ダイヤモンドのにこまる

【番付受賞米シリーズ】「お米に作ってもらってる農家」が育てた、大粒ダイヤモンドのにこまる

最終更新日:2023-11-11

お米番付」の歴代受賞者の中でも、食べた瞬間に感動するほど「粒の生きた」上質なお米をつくる 8 名の生産者を厳選した「番付受賞米シリーズ」。今回そのうちのひとつとして選ばれた北嶋將治さんのにこまるは、炊き上がりに大粒ダイヤモンドのような輝きを放つ。今年で第10回大会となる「お米番付」にて4度受賞歴がある正真正銘のレジェンド。おいしいお米づくりについて伺うと、稲と自然への感謝を忘れない北嶋さんの人柄が見えてきた。

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「お米に作ってもらってる農家」が届ける、一等地の大粒にこまる

北嶋さんは山に囲まれた福岡県朝倉市に、全体で80~90ヘクタールもの面積の田んぼを持つ。その中でも特に、北嶋さんと相性のいい田んぼが相窪という土地にあるのだそう。相窪で収穫したお米は外硬内軟で噛み心地が良く、北嶋さんにとっての一等地。そんな一等地のにこまるを今回八代目儀兵衛のレジェンド米として出品して下さった。召し上がる際は是非何回も噛んで甘みを口いっぱいに感じて欲しい。

北嶋さんのお米づくりは自然の循環を生かした“大國主命御子神7人農法”という珍しい特別栽培。化学肥料は稲にとって大切な栄養素が全て混ざった、人間で言うところの完全栄養食。手軽で便利だが、それだけしか食べない食生活は健康的とは言い難いと北嶋さんは考え、肥料も手作りする。海水、有明海の海苔、梅干し、サトウキビ、麦藁、米ぬか、灰などを用い、20年以上かけて作られた栄養たっぷりの土壌には自然の循環が生まれて、そのおかげで稲がすくすくと育っている。

昔からの言い伝えは不思議と当たっていることが多い。北嶋さんもお米づくりに関わる全ての自然に感謝する。土、風、雲、水、虫、太陽、月…これら7つにそれぞれに神様が宿り、稲を成長させてくれるという考え方から“大國主命御子神7人農法”は生まれる。北嶋さんは「お米を作っている」とは言わないそうだ。お米のことがきっかけで新たな出逢いの機会に恵まれるなど、お米に成長させてもらってると感じているから、「お米に作ってもらってる農家」と感謝の心を忘れない。

根を縦に成長させ、暑い夏を乗り越える

稲においしいお米を育んでもらうために、北嶋さんは稲の根を特に重要視する。根を横に広げるように育てることは簡単にできるが、敢えて地の奥底まで長く伸ばすために工夫をするそうだ。「縦根がしっかりしていないのは、家を建てる基盤がないのと同じようなものだと思うんです」と話す。

この縦根が特に重要になってくるのは稲が穂を作る真夏の時期。この時期に暑すぎると良い穂が生まれない。福岡県朝倉市は昼夜間の気温差が大きく、風が弱い内陸気候なのが特徴。地球温暖化の影響でこの地域も年々暑くなってきている。北嶋さんは夏の暑い時期になると朝のうちに田んぼの水を抜き、日中の太陽の熱によりお湯のようになったお水に稲が浸からないようにする。そして再び夜は田んぼに水を張る。これができるのはこの地域に栄養豊富な湧き水がたっぷりとあるから。水を抜いても地の奥底に含まれる水分に根が届くためには、やはり稲に縦根を伸ばしてもらうことが重要になってくる。「私たち人間も、日中暑いのは我慢できても夜は涼しくないとゆっくり休めないでしょう?稲にも休む時間を作ってあげたいんです」と語る。

北嶋さんの稲への優しさは、実際の稲への接し方にも繋がっている。稲は人間と違って言葉は無いが、私たちと同じ生き物。だから北嶋さんは毎朝同じ葉を触るようにし、稲とコミュニケーションを取る。天候が良くない時期に葉を触ってみると、目に見えない僅かな違いを感じるそうだ。「稲の家族に私は入れてもらっている感覚なんです。だからその感謝は忘れないようにしています。優しく接したら不思議と稲も甘くなってくれるんですよ」と微笑みながら話してくださった。

おいしいお米づくりのためにやっていること

北嶋さんがお米づくりを始めたのは21歳の時。当初は農作業に効率性を求めていたが、段々と「どうせ作るならおいしいお米を作りたい」と思うようになった。28歳の時、40歳ほど年上の先輩農家さんと出会った。師匠とも言えるその先輩農家さんから教えてもらったのは約10年間。しかし教えてもらったのは稲の育て方ではなく、育てる前の意気込み。育て方を真似しても土地や気候は違うため同じ結果にはならないが、稲への想いには環境など関係ない。師匠と出会って20年以上経った今でも「師匠は今の自分と同い年の時にどんなことを考えていたのだろう」と考え、稲に毎日語りかける。

稲の育て方については他の農家さんからあまり聞かないのが北嶋さんのやり方。代わりにおいしいお米を追及するべく、ご自身で田んぼの一部を使って栽培試験を続けている。栽培試験はノートに記録するが、書き記すのはご自身が1ヶ月後に覚えていることだけ。「毎日書かない理由は、大切なことだけを分かりやすくするためなんです。忘れることって重要じゃ無いことが多いんですよ。だから大切なことだけ記録しています」と話す。こうして試行錯誤を繰り返すことで、毎年新たな発見があるそうだ。

お米はダイヤモンド

北嶋さんはよく八代目儀兵衛のことを「ダイヤモンドの研磨職人」と例えてくださる。だからご自身は「ダイヤモンドの原石を掘ってくる人」なのだそう。ダイヤモンドは原石も重要だが磨き方1つで何億もの価値になる。お米もダイヤモンドと同じ。目利きと精米によって更に味わいも変わってくるという八代目儀兵衛の考え方に北嶋さんはとても共感してくださっている。

お米番付での受賞米は毎年、京都祇園と東京銀座にある八代目儀兵衛の米料亭で提供される。初めて受賞した第3回大会の年に北嶋さんも食べに行かれたそうだ。釜を開けた瞬間に、ご自身のお米がダイヤモンドのように輝いていた光景は今でも覚えておられるそうだ。「お米のことを一番に考える八代目儀兵衛の思いが周囲に伝わり、良い輪が生まれていると感じます」と話してくださった。

若い人の目標となるよう毎日ひたむきに

北嶋さんはこの輪をかき混ぜて、今後は若い農家さんも増えるように巻き込んでいきたいと考えておられる。実際に毎年地元の小学校から農業体験を受け入れ、次世代の若者にお米づくりの心を教えている。初年度に教えた子達は大人になり、今ではお手伝いに来てくれるそうだ。「若い人の目標になるような農業をこれからもしていきたいです」とおっしゃっていた。

稲と自然への感謝を忘れず、お米づくりに毎日ひたむきな北嶋さんの大粒ダイヤモンド。炊き上がった瞬間のキラキラとした輝きを、是非一人でも多くの方に体験して欲しい。

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【執筆者プロフィール】

荻野 奈々果
お米ライター/栄養士
三ツ星日本米穀商連合会認定お米マイスター取得

広島女学院大学栄養学科を卒業後、米卸業者に就職。同社で社長秘書・広報・営業とマルチに活躍。上京後、米麹や日本酒などの米加工食品について学ぶ。現在は「お米ライター」として、お米そのものから米加工食品まで、お米の魅力を発信し続けている。ライターの傍ら、お米由来の化粧品・米麹甘酒の広報支援やお米のECサービス、日本酒新ブランドの立ち上げに携わるなど、お米のマーケティング支援においても幅広く活動中。

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