【番付受賞米シリーズ】昔ながらの有機栽培が生み出す、食べる人に幸福感を与える濃厚な夢ごこち

【番付受賞米シリーズ】昔ながらの有機栽培が生み出す、食べる人に幸福感を与える濃厚な夢ごこち

最終更新日:2023-11-11

お米番付」の歴代受賞者の中でも、食べた瞬間に感動するほど「粒の生きた」上質なお米をつくる 8 名の生産者を厳選した「番付受賞米シリーズ」。今回そのうちのひとつとして選ばれた若井康徳さんの夢ごこちは、今年で第10回大会となる「お米番付」第6回大会と第7回大会にて受賞歴がある。一度食べると忘れられないほど幸福感を与える濃厚な味わいは、食べる消費者のことまで考える若井さんが試行錯誤を続けてたどり着いたもの。日々学びを続けつつ昔ながらのお米づくりも大切にすることで生まれた、レジェンドと呼ばれる味の由縁に迫ってきました。

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量より質の27品種を育む、竜王町の自然

若井さんの田んぼがあるのは、琵琶湖にほど近い滋賀県竜王町。この地域は三方山に囲まれた盆地のような地形であるため、昼夜間の気温差が大きく、夏場でも心地良い風が程よく吹き抜ける。そして山からは冷たく清らかな湧水。お米の命とも言える水をたっぷりと掛け流すことができる。この水は鉄分豊富であるため、おいしいお米づくりに欠かせない微生物が土壌に住み着いてくれるそうだ。若井さんの田んぼの土壌には、粘土質と砂質といった異なる性質の土が混ざり合う。「土壌の性質を十分に理解し、栄養を稲の根から吸収しやすいように分解してくれる微生物との共存が重要なんです」と若井さん。このように自然との共存し、収穫量よりもお米の質を重視したお米づくりに若井さんは情熱を捧げている。

若井さんの田んぼでは夢ごこちの他にも様々な品種のお米を栽培し、その数は全部で27品種。お父さんの代では12〜13品種栽培していたそうだが、オンリーワンのお米農家になるべく、年々栽培品種を増やしていったそうだ。品種によって田植えの時期は様々であるため、4月中旬から始めるものもあれば、遅いもので7月末まで行う。それに伴い、刈り取りは早いもので8月中旬から、そしてお正月にかけて行う。多くの品種を扱うことは非常に大変だが、若井さんはその難しい管理も器用にこなしてしまう。

自然の循環を利用した有機栽培

若井さんはまるで子育てをするように稲の生命力を信じてお米づくりを行う。就農された頃から自然に近い育て方に元々こだわられていたが、近年は自然の循環を利用することで、更に農薬や肥料を少なくすることに注力するようになったそうだ。お米づくりのこだわりを大きく2つに分けて教えてくださった。

1つ目は土づくりと苗づくり。栄養をたっぷりと含む土づくりと強い苗づくりで、おいしさが8割決まるのだそう。土づくりは一朝一夕で結果は出ないため、常に4~5年先を見据えて行う。そして農薬無しでも強い稲に育ってもらうために、苗の成長段階で敢えて少し刺激を与えるのだそう。稲も元々は自然に生えていた植物なので、その生命力を信じて栽培する。その結果、病気や虫からも強い苗が生まれて、農薬や殺虫剤などを減らしてもおいしいお米が実りやすくなる。このように自然に近い有機農法を追及したおかげで、近年価格が高騰している農薬や肥料にかかるコストも自然と減っていったそう。

そして2つ目が、稲の収穫までの管理と収穫後の保存。水の管理を徹底し、稲の栄養補給を邪魔する雑草の管理も行う。最近は雑草を取りすぎず「雑草に勝ってこい!」と子供を旅に出すような気持ちで、強い稲になるような雑草管理も行うそうだ。収穫後の保存は12℃前後の低温保存をされている。

出荷して終わりにしない、誰もが認めるレジェンド

若井さんの田んぼでは、冬場に水を張る“冬期湛水”を行う。こうすることで土の中の微生物が田んぼの藁を分解し、窒素に変換してくれる。お父さんの代から続く、昔ながらの農法だ。これまで当たり前のように有機農法を行ってきた若井さんは、食べ物である稲にマスクをしながら農薬を散布することに違和感を感じるそうだ。「お米は出荷したら終わりではなく、私はそれを食べる消費者のことまで考えていきたいです」と熱意を持って、安心安全でおいしいお米づくりに取り組む。そのために若井さんは、五つ星お米マイスターや水田環境鑑定士、有機JAS検査員といったお米づくりに関わる資格の他に、米・食味鑑定士や炊飯鑑定士といった食味や調理に関する資格も多数保有する。現在は、炊飯に重要なお水のプロである、アクアマエストロという資格にも関心を持っておられるそうだ。

日々お米のおいしさについて勉強されている若井さんは、誰もがレジェンドとして認める農家さんの一人だ。お米づくりについて質問されることも多く、講演の依頼が後を絶たない。農家さんの他に、お米屋さんや肥料メーカーさんに伝える機会も年々増えている。更に国内に留まらず、フランスやアメリカ、また台湾などの海外にも、ご自身のお米を通じて日本のおいしいお米を伝えている。

おいしいお米づくりに夢中な、16代目

このように今ではレジェンドとして多くの人に知られる若井さんだが、最初はご実家の農業を継がれる予定はなかったそうだ。40歳頃まで建築に関わるお仕事の傍ら、その合間にご実家のお手伝いをされていた。しかし周囲の農家さんの高齢化が進み、引退された方の田んぼも耕すようになり、年々忙しくなっていった。そんな時にご自身の代で16代目となることをお父さんから聞いて就農を決意したそうだ。

「農業をやるなら、突き詰めてとことんやろう」そう思い、おいしいお米を追及するようになっていた若井さん。そんなある日、お米のおいしさを測ることができる機械(食味計)の展示会に行き、ご自身のお米の数値を測ってもらうと高い数値が出た。この経験が食味コンテストへの応募に挑戦するきっかけになった。エントリーすると数々の食味コンテストで受賞し、若井さんは更においしいお米づくりにのめり込んでいった。しかし食味計でおいしいと評価されても、人間の舌で味わっておいしいと証明されたわけではない。お米は人間が食べるもの。そこで一次審査から実際に食べて選ぶことに拘る八代目儀兵衛のお米番付にエントリーしたそうだ。第6回大会はいのちの壱、そして第7回大会に夢ごこちで入賞した。「この時受賞したことは農業人生の中でも忘れられない経験でした」と話してくださった。

昔ながらを大切に、幸福感を与えるお米を

お米づくりも時代に合わせて進化する。若井さんも効率化できるところは行うが、効率化してはいけないところは昔ながらのやり方を大切にする。例えば、刈り取りが終わった後の稲の乾燥作業は、2~3日かけて行い、ほぼ自然乾燥に近い状態に拘る。時間をかけることで実の方に甘みが集中し、味わい深いお米になるそうだ。このように昔ながらのお米づくりも大切にしているため、消費者の方から「お米の味がしっかりと感じられて懐かしい味でした。ずっと食べていられます」との嬉しい言葉をいただくことも多いそうだ。

今回八代目儀兵衛に出品していただいた夢ごこちは、若井さんが育てる27品種の中でも特においしいと評判の逸品だ。育て始めたきっかけは、ご自身で試験的に育てたものを食べてみて、びっくりするほどおいしかったから。そこから更においしく育てるために追及するようになったそう。何度も試行錯誤を繰り返し、若井さんの夢ごこちは現在の味に仕上がった。炊き上がった時の粒立ち、光を照り返すほどの印象的な艶は格別で、一度見ると忘れられない光景だ。そしてふっくらとした粒に程よい噛み心地と濃厚な粘り、味は濃い甘みで正にレジェンド米と呼ばれるに相応しいお米。「食べる人に幸福感を与えてくれる」と多くの人をこれまで虜にしてきた。

若井さんのおすすめは夕飯にお肉料理と合わせて食べること。冷めてもおいしいため、日常で使いやすいのが特徴なのだそう。「一粒一粒に詰まった旨みが溶け出し、優しい甘さが口に広がります。おいしい水を味わうような感覚でお米も味わってみて下さい。お米はおいしい、と再確認するきっかけになれば嬉しいです」と語る若井さんからは、謙虚ながらもが伝わってきた。

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【執筆者プロフィール】

荻野 奈々果
お米ライター/栄養士
三ツ星日本米穀商連合会認定お米マイスター取得

広島女学院大学栄養学科を卒業後、米卸業者に就職。同社で社長秘書・広報・営業とマルチに活躍。上京後、米麹や日本酒などの米加工食品について学ぶ。現在は「お米ライター」として、お米そのものから米加工食品まで、お米の魅力を発信し続けている。ライターの傍ら、お米由来の化粧品・米麹甘酒の広報支援やお米のECサービス、日本酒新ブランドの立ち上げに携わるなど、お米のマーケティング支援においても幅広く活動中。

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