『会社ぐるみで見送るために』-プロと実体験から考えるお葬式 vol.6 社葬と一般葬の違い編

『会社ぐるみで見送るために』-プロと実体験から考えるお葬式 vol.6 社葬と一般葬の違い編

最終更新日 2022-04-03
公開日 2021-08-23

八代目儀兵衛当主・橋本隆志が母を亡くしたのは、2021年4月のことでした。初めて喪主側で運営するお葬式(喪主は父)では、たくさんの疑問や戸惑いに出会いました。この連載では、橋本の実体験を振り返り、プロからのアドバイスと共にお葬式のリアルをお伝えします。今回は、社葬と一般葬の違いがテーマです。

橋本隆志

八代目儀兵衛当主。ガンを患った母を、2021年4月に亡くした。姉と弟がいる長男で、家業の当主でもあったことから、喪主の父を支えながらお葬式を執り行った。大人になってから初めてのお葬式で戸惑うことも多かったが、岡田さんのフォローで満足いくお葬式を上げることができた。

株式会社公益社 岡田裕章さん

橋本家の葬儀全般をサポート。細やかなフォローと気遣いで遺族を支える。この記事では、実体験にプロの立場からアドバイスをいただく。

全国には、同じ悩みを持つ社長さんも多いのでは

橋本以前もお話した通り、私たちは当初、母のお葬式を「社葬」にしようと思っていました。母の支えなくしてはうちの商売もやってこられなかったですし、何より、にぎやかな雰囲気が好きな人でしたから。

岡田:けれどコロナ禍ということもあり、社葬という形式は難しいのではとこちらから進言したんでしたね。

橋本:最終的には家族葬(一般葬)という決断をしたんですが、本当にいいお葬式にできたので、岡田さんにはとても感謝しています。

実際私みたいに、家族で会社を経営していて色々な方とお付き合いがある場合、葬儀の形式をどうするか悩む人は多いと思うんですよ。

岡田:そうですね。一般的な葬儀と違い、情報も少なく迷われる方も多いと思います。

橋本:経営者同士の会話でも「社葬と一般葬はどっちがいい?」なんて話題はまず出てきませんからね。岡田さんにもアドバイスをいただくことで、全国の社長さんに少しでも情報提供ができればと思っています。

橋本:私たちの場合、社葬にしたい理由はにぎやかに見送りたいという気持ちからでした。家族葬ではそれができないという思い込みがあったんですね。でも、実際はそんなことなかったです。

岡田:まず、火葬を伴う社葬は、遺族と合同で行うので「合同葬」と呼ばれます。この場合、亡くなってからすぐに葬儀をする必要があり、準備に十分な時間を確保できないこともあります。コロナ禍においては、通常の準備に加え感染対策も行わなければならないため、社員や取引先の方など大勢が関わる合同葬は難しいとお伝えすることもあります。

もちろん、お葬式において一番大切なのは悔いを残さないことなので、合同葬のご要望があれば私たちは全力でそのお手伝いをします。

ただ、社葬には「偲ぶ会(お別れ会)」という形で行う選択もあります。

橋本:新聞でもよく「偲ぶ会」と書かれている案内を見ますね。

岡田:「偲ぶ会(お別れ会)」の形では、葬儀が家族葬と社葬の二段構えになります。火葬までのお見送りを密葬として身近な方だけで行い、葬儀に来られなかった方に対して、社葬として「偲ぶ会」という場を設けます。

橋本:なるほど。火葬後に行う社葬なんですね。その「偲ぶ会」というのは、どういうタイミングで行うものなんでしょうか。コロナ禍において、多少時期を融通させたりできるんですか?

岡田:例えば今のコロナの状況だと、1年以上お待ちの方もいらっしゃるようです。

橋本:1年経ってからでもできるんですね!

岡田:通常だと忌明けに合わせることが多いですが、基本的に、決まったタイミングはありません。

「偲ぶ会」の形にすると、お見送りは近親者でゆっくり時間をお過ごしいただき、対外向けにはもう少し落ち着いてから準備できます。社を挙げての取り組みとなるとどうしても規模が大きくなりますから、時間的にも精神的にも余裕が出てきてから「偲ぶ会」を行うのは、やりやすい方法かもしれませんね。

プロからのアドバイス

故人の生前のご活躍に敬意を表し、会社を挙げて執り行われるのが「社葬」です。主体を会社とし、会社の経費で執り行われる葬儀のことを指します。運営に関わる人数も、来てくださる人数も多くなることが多いです。

社葬の一つである「合同葬」では、遺族と会社が合同でお葬式を行います。この形の場合、火葬前に行うので、葬儀の回数は1回です。

また、「偲ぶ会」は、近親者だけで密葬を行ってから行う形式の社葬です。2回葬儀を行うことになります。この形の場合は、比較的落ち着いた状態で準備を進められます。

母を、会社の一員として

橋本:結局私たちは社葬を選びませんでした。とはいえ、母は私たちの家族であると同時に、八代目儀兵衛にとって重要なメンバーでした。なので、お店の名前はきちんと出しておきたいという気持ちがあったんです。

岡田:もちろん、家族葬だからと言って会社の名前をどこにも出してはいけない、ということはありません。ただ、喪主がどちらか分からなくなるような形になると、少しややこしいので気を付けてください。

橋本:たとえば、オリジナルの会葬礼状に喪主の氏名と合わせて社名を併記したんですが、それは問題なかったでしょうか?

岡田:はい、全く問題ありません。屋号と人名の関係を分かりやすくするためには、喪主のお名前の後に罫線を入れてから店名を入れる方法がおすすめです。

プロからのアドバイス

社葬でないからと言って会社の名前を出してはいけないというわけではありません。会社の一員であったことを示すため、お礼の文書などに会社名を併記することは問題ないと思います。

ただ、一般葬(家族葬)の場合、主となって執り行っているのは喪主の方です。喪主の方のお名前をしっかり記載したうえで、罫線などで区切って分かりやすく併記するといいでしょう。

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