最終更新日:2022-07-05
故人が亡くなってから四十九日目に行う「四十九日法要」。四十九日法要には、親族や故人の友人、知人などを呼ぶことが多く、出席者に渡す引き出物を準備する必要があります。
今回は、四十九日法要のお返しに何を選べば良いのか、引き出物に関するマナーや選び方についてマナー講師が解説します。
四十九日法要とは
仏教では、亡くなった後に極楽に行き、次の生を受けるまでの期間が49日間あるとされています。この期間を「中陰」といい、亡くなった日から7日ごとに初七日(7日目)、二七日(ふたなのか、14日目)、三七日(みなのか、21日目)と、49日目まで故人の冥福を祈り、法要を行います。最後の49日目(七七日、なななのか)は「中陰が満ちる」の意味で「満中陰」と呼ばれ、7日ごとの追善法要の仕上げの日。死後の行先が決まる重要な日とされます。
また遺族にとっては、この日が忌明けとなるので、四十九日法要は「忌明け法要」ともいわれます。親族や友人など、故人にゆかりのある方をお招きして大々的な法要を行うのが一般的。最近では、四十九日に納骨を済ませることも多くなっているようです。
四十九日法要の後は「精進落とし」の会食の場を設けます。精進落としとは、忌明けに頂く料理のこと。今では葬儀当日に初七日も済ませてしまい、精進落としの食事もその日に供することが少なくありません。しかし本来、精進落としは忌明けの四十九日に頂く料理を指すものです。昔は、忌明けまでの四十九日間は、肉や魚を使わない精進料理を食べるのが風習でした。人々の生活スタイルの変化とともに、今の形に落ち着いてきたと思われます。
ちなみに、四十九日法要が終わると、次の法要は「百か日法要」です。もしも百か日法要を内輪だけで行うのであれば、1年後の一周忌法要まで大きな法要はありません。
※家族が亡くなったら四十九日までは仏壇の扉を閉めておきますが、四十九日後は故人も仏様の仲間入りという意味で、仏壇の扉を開けます。
四十九日法要の準備について
四十九日法要は、以下の段取りで準備します。
1.日程と場所を決める
いつ四十九日法要を行うのかは、先に述べたように七日ごとの法要スケジュールに従います。葬儀社や僧侶から渡される「逮夜(たいや)表・中陰表」を参考に、参列者が集まりやすい土日祝日に日程を合わせるなどの配慮をして決めましょう。仏教では、忌日を前倒しにして法要を行なっても良いとされています。多くの人が集まりやすい日程を選んで実施すると良いでしょう。ただし、遅くなるのはいけません。
日程が決まれば、次は場所を決めます。自宅でするのか、お寺でするのか、葬儀会館でするのか。四十九日法要を行なってもらう僧侶と相談が必要です。
※「逮夜(たいや)」は関西の風習です。忌日法要の前日に、夜を明かして故人の冥福を祈ったのが「逮夜」の習わしです。2日間連続で法要を行うのは負担が大きいので、「7日ごとの忌日法要を前日に行う」という形に変化したといわれています。
2.案内をする
四十九日法要は、故人にとっても遺族にとっても大きなひと区切りの法要です。案内状を準備し、1か月前には先方に届くように送りましょう。準備の関係上、四十九日法要の2週間前には出欠がわかるようにするのが理想です。
なお、案内状は、次のいずれかで準備します。
①返信用の葉書を同封した封書で送る
②往復はがきを使用する
※ただし、親戚や身内だけで行う場合や少人数で行う場合は、簡略化して電話で案内しても良いでしょう。
精進落としの会場を決める
四十九日法要の後に参列者に会食をしていただく場所を決めます。「法要を行なったお寺のお部屋をお借りする」「料亭やホテル、または自宅に仕出し弁当を頼む」など、人数や予算、手伝う人がいるかどうかといった条件を踏まえて考えましょう。
法要会場と会食会場を別にする場合は、その移動手段も含めて検討する必要があります。昨今の風潮を反映して、仕出し弁当をお持ち帰り頂くという選択もあります。
4.引き出物を決める
四十九日法要では、参列者はお供えを持参します。そのため、お返しとしての引き出物を準備しなければなりません。参列してくださる人数がわかれば、その人数よりも2~3個多めの数で引き出物を準備しましょう。
※引き出物は、四十九日法要のお返しです。葬儀の際に頂いた香典の返礼品である「満中陰志」とは別物です。間違えないようにしましょう。
四十九日法要でお返しの準備が必要な理由
中陰の期間中、7日ごとにお参りくださる方々は、その都度、故人にお供えを持参してくださいます。中でも、四十九日法要は、通夜から続く法要の総仕上げ。故人に頂いたお気持ちへの感謝を伝えるためにも、お返しは必要なのです。
四十九日法要のお返しのマナー
ここからは、四十九日法要のお返しのマナーを見ていきましょう。
四十九日法要のお返しのマナー(1)のしの種類
四十九日法要のお返しでは、のしではなく「掛け紙」を使用します。のしのついていない白黒結び切りか白黄結び切りの掛け紙を使いましょう。
表書きは「粗供養」もしくは「志」です。掛け紙の下段には、喪主の苗字を書きます。包装した品物の外に掛け紙を付ける「外のし」で準備してください。
四十九日法要のお返しのマナー(2)お礼や挨拶の伝え方・注意点
四十九日法要のお返しは、参列くださった方へのお返しですので、直接手渡しするのが原則。そのため、お礼状は不要です。法要の終了後、席を改めて行う会食の場で、喪主が挨拶をしますが、その際は次の点に触れながら感謝の気持ちをお伝えしましょう。
①お忙しいなか参列くださったこと
②これまでに故人に対して頂いたお心遣い
③おかげさまで四十九日の忌明けを迎えたこと
ただし、四十九日法要に参列できなかった方が、後日、お供えを送ってくださるケースがあります。その方へは個別にお礼の気持ちをつづった手紙を同封し、粗供養を送りましょう。
四十九日法要のお返しのマナー(3)お返しを渡すタイミング
四十九日法要のお返しは、会食終了後、参列くださった方をお見送りする際にお渡しします。改めて直接お礼をお伝えできるタイミングですので、品物をお渡しすると同時に、丁重に感謝の思いを伝えると良いでしょう。
会食に行かず、仕出し弁当をお持ち帰り頂く場合は、四十九日法要の終了後、お見送りの際にお弁当と一緒にお返しを渡しましょう。
四十九日法要のお返しの選び方
次に、四十九日法要のお返しの選び方について解説します。
四十九日法要のお返しにふさわしいもの
四十九日法要のお返しは、弔事全般のお返しと同様の考え方で選びましょう。 生ものは避け、使ったり食べたりするとなくなるもの、いわゆる「消えもの」である消耗品や食品を選ぶと間違いありません。代表的なものとしては、以下の品物が挙げられます。
・お米
最近、四十九日法要のお返しによく見られるのが、お米です。どこの家庭でも間違いなく喜ばれます。少量ずつのパックになっているもの、産地・ブランドにこだわったものなどがあり、四十九日法要のお返しにおすすめです。
・タオル
「悲しみの涙を拭い去る」「悲しみの心を覆う」という意味から、弔事の返礼品の定番です。家庭では必ず使うものなので、こちらも四十九日法要のお返しにおすすめです。
・洗剤、石鹸、入浴剤
「悲しみをきれいさっぱりと洗い流す」という意味から、弔事の返礼品の定番です。ただし、特殊な香りのものは敬遠されたり、「決まったものしか使わない」という家庭も多いので慎重に選びましょう。
・日本茶
日本茶も弔事では定番です。ただ、若い人が多いようであれば、「日常的にあまり飲まない」ということも考えられます。
・海苔
日本茶同様、弔事の引き出物でよく使われます。比較的好き嫌いがないので、おすすめです。
・お菓子
和菓子、洋菓子ともに四十九日法要のお返しに選びやすいでしょう。賞味期限には気を付けるようにしてください。
四十九日法要のお返しにふさわしくないもの
弔事の返礼品として、四つ足生臭ものといわれる肉や魚は一般的に避けるべきですが、四十九日法要でも同じです。
また、お酒などの嗜好品や、鰹節・昆布・日本酒といった慶事に使われる品物もふさわしくありません。
四十九日法要のお返しを選ぶ際の注意点
四十九日法要は「忌明け法要」ともいわれ、通夜・葬儀から続いた弔いの仕上げともいえる行事です。四十九日法要のお返しを選ぶ際は、きちんとしたマナーを意識して選びましょう。
高齢化している日本の一般的な葬儀を考えた場合、喪主を務めるのは故人の息子や娘でしょう。その反面、四十九日法要に参列するのは、親戚や故人の友人、職場の方々といった、故人と同年代の方々が多い傾向にあります。ジェネレーションギャップから価値観が違うことも多いかもしれません。しかし古くから続く習慣は、合理化という言葉を取り入れるべきではない側面があることを忘れず、失礼のないように十分な配慮が求められます。喪主を務めた息子や娘に常識がないと思われることは、故人が恥をかくことと心得ましょう。
四十九日法要のお返しの金額の相場
四十九日のお返しは、お供えの金額にかかわらず、一律で準備します。3,000円~5,000程度を目安にお返しを準備すると良いでしょう。
四十九日法要に参列くださる方は、お供えを持参されます。一般的なお供えの金額は、親戚の場合は10,000円~30,000円程度、友人や職場の場合は5,000円~10,000円程度です。そう考えると、半返しの金額でのお返しがわかりやすいでしょう。さらに法要後の会食にもお招きするため、お返しと合わせれば、頂いた金額を多少上回る程度となります。
まとめ
仏教において、四十九日法要はさまざまな法要の中でも要のひとつといえます。亡くなって49日、たった2か月弱の間に、遺族は四十九日法要に関する準備をしなければなりません。つつがなく忌明けを迎えられるよう、日程から逆算して準備することが大切です。
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