“美味しくて安心なお米”を入手しやすくするー初エントリーにして「お米番付2022」優秀賞 宮村 厚志さん

“美味しくて安心なお米”を入手しやすくするー初エントリーにして「お米番付2022」優秀賞 宮村 厚志さん

最終更新日:2023-11-02

 人の五感で「甘い」と感じるお米を選ぶ、お米番付。今年優秀賞を受賞したのは、石川県金沢市の宮村さんご夫妻が育てられたにこまるだった。初エントリーにして優秀賞を受賞された背景には、高い理想を持って共に歩まれるご夫妻の姿があった。

お米づくりに適した田んぼと宮村夫妻の土づくり

 山と海と川、全てが揃い、宮村さんご夫妻の田んぼにはミネラル分の多いお水が豊富に流れてくる。比較的平野に近い地形となっており、朝晩の寒暖差が大きい金沢市の気候が美味しいお米を作る上で適しているそうだ。

 お米づくりに適した条件が揃った環境を基盤に、更に美味しい無農薬のお米を収穫するための土づくりについてもかなり勉強されたそうだ。毎作ごとに各畑や田んぼの土を科学的に分析し、団粒構造(ふかふか)の土を実現。現在でも土の中の病原菌を抑えるため、放線菌・乳酸菌・納豆菌などを利用して、日々生育中の観察、管理を日々行っておられる。

“美味しくて安心なお米”を届けるために就農

 宮村さんご夫妻が現在の石川県金沢市で就農したのは2020年。それまでは東京でキャリアを積まれ、忙しい毎日を送っていた。当時から健康的な食生活を心がけ、お米や野菜はなるべく無農薬のものを選びたいと思っていたが、都内での入手の難しさを感じていた。

 その後お二人で何かビジネスを始めようとした際に、安心して口にできる美味しい無農薬のお米や野菜を、東京でのキャリアで培ったご自身のノウハウを生かして、今よりもっと入手しやすくしたいと思うようになった。そしてそれらを自分たちで育てることから始めたいと思い、兼業農家をされていたご実家の金沢市に帰ってきた。

 就農してからずっと、宮村さんご夫妻が育てられているお米や野菜は全て無農薬だ。日々除草の繰り返しで、戦いのようだと話す。それでも就農時の固い決意を忘れず、これまで歩んできた。

宮村さんご夫妻とにこまるとの出会い

 今回受賞したにこまるという品種を育てることを、ご夫妻は就農する前から決めていたそう。きっかけは東京にいた頃に口にしたこと。その時美味しいと感じた、粒立ちがよく弾力のあるお米を現在も理想の味として掲げている。

 育て始めて、数ある品種の中でもにこまるは比較的育てやすい品種であることに気づく。晩稲なのでカメムシが繁殖する時期と少しずれるため、無農薬でも健康に育ってくれる。無農薬に拘る宮村さんご夫妻とにこまるの出会いは運命的なように見えて、必然だったのかもしれない。

お米番付にエントリーした理由

 “美味しくて安心なお米”を目標に掲げる宮村さんご夫妻はこれまで、“食べた人”にフォーカスを当てたお米作りをしてきた。そのため、機械ではなく何よりも大切な“食べた人”が判断するお米番付は自分たちにとってぴったりのコンテストだったと振り返る。

 実は宮村さんご夫妻は、就農して3年以内にお米のコンテストで賞を取りたいという目標を心に秘めていた。目標を叶えることができて大変嬉しく、周囲にすぐ報告したそうだ。

 とはいえ最優秀賞には届かなかったため、すぐにこの反省点を洗い出した。2023年は甘みのより強い理想のお米に近づけることが今後の目標だそうだ。“美味しくて安心な米”を届けるために、今日も宮村さんご夫妻は高い理想を持ってお米づくりを続ける。

 7月1日(土)から7月2日(日)まで、米料亭 八代目儀兵衛、京都祇園と東京銀座の両店舗にて宮村さんのにこまるが提供される。まずはそのまま食べていただき、甘味と鼻から抜ける風味を味わうのが宮村夫妻流。追加の豊後の息吹の卵や、九条ネギ明太子を合わせるのもおすすめだそうだ。

【執筆者プロフィール】

荻野 奈々果
お米ライター/栄養士
三ツ星日本米穀商連合会認定お米マイスター取得

広島女学院大学栄養学科を卒業後、米卸業者に就職。同社で社長秘書・広報・営業とマルチに活躍。上京後、米麹や日本酒などの米加工食品について学ぶ。現在は「お米ライター」として、お米そのものから米加工食品まで、お米の魅力を発信し続けている。ライターの傍ら、お米由来の化粧品・米麹甘酒の広報支援やお米のECサービス、日本酒新ブランドの立ち上げに携わるなど、お米のマーケティング支援においても幅広く活動中。

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